2006 Fiscal Year Annual Research Report
クロロフィルを用いた自己集積型光応答ナノデバイスの構築
Project/Area Number |
17029065
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
民秋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (00192641)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 生体機能利用 |
Research Abstract |
緑色光合成細菌の膜外アンテナ部=クロロゾーム中では、通常のクロロフィルとは分子構造の異なる特別なクロロフィル分子が、自己会合することによってアンテナ色素部を形成している。そこで、天然型のクロロゾームクロロフィルを模した様々なモデル色素分子を合成して、多様な条件下でその自己会合体を創製し、その物性を検討しつつ、光応答ナノデバイスの構築を固体界面上で行った。 クロロゾームクロロフィルモデル分子に様々な官能基を導入する際には、これまでは有機合成化学的手法を駆使してきたが、選択的な官能基導入は困難を伴うことが多かった。そこで生合成に用いられている酵素を利用して、クロロフィルの位置・立体選択的変換を行った。活性化されていない20位の炭素上への直接メチル化に成功したのをはじめ、ピロールB環上のC7=C8二重結合の不斉還元にも世界で初めて成功した。さらに、17位上のエステルのゲラニルゲラニル鎖の位置選択的で段階的な不斉還元にも取り組んでいる。 次に、光機能性界面デバイス構築のために、より安定な自己会合体の構築を行った。アクリレートやジアセチレンの熱・光重合やシラノールの縮重合の利用を試みて、後者によって生成するポリシロキサンが有効であることが判った。このようにして構築された自己会合体は、残存シラノールによって水中では表面負電荷を有するために、正電荷を帯びた界面上に固定化でき、さらに幾層でも積層出来ることが判った。同様の静電的相互作用を利用して、負電荷を有するカルボン酸型クロロフィルを半導体表面に修飾して、色素増感型太陽電池を構築できることも判明した。
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