2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温プラズマ表面修飾技術による酸化チタン微粒子の環境浄化機能の改善に関する研究
Project/Area Number |
17029068
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Research Institution | Kitakyushu National College of Technology |
Principal Investigator |
山田 憲二 北九州工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (80101179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 裕之 北九州工業高等専門学校, 総合科学科, 教授 (70172434)
松嶋 茂憲 北九州工業高等学校, 物質化学工学科, 教授 (80229476)
山根 大和 北九州工業高等学校, 物質化学工学科, 助教授 (70332096)
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Keywords | 環境材料 / 触媒・化学プロセス / 表面・界面物性 / プラズマ加工 |
Research Abstract |
1.窒素ドープ酸化チタン微粒子の可視光応答の安定性 最適化窒素プラズマ処理により調製した窒素ドープ酸化チタン微粒子の可視光応答の安定性を評価するために、窒素雰囲気及び空気雰囲気においてそれぞれ100℃〜400℃で熱処理を行った。(1)窒素雰囲気熱処理 熱処理温度に伴って顕著な可視光吸収を示したが、可視光応答性が消失する傾向を示した。窒素ドープ酸化チタン微粒子のXRD解析から、結晶格子歪が熱処理温度に伴って増大した。したがって窒素雰囲気熱処理により、酸化チタンからドープ窒素の脱離が起こり、酸素欠陥が形成されるといえ、また電子構造解析から可視光応答性消失の可能性を明らかにした。(2)空気雰囲気熱処理 熱処理温度に伴って可視光吸収が減少し、可視光応答性も減少した。窒素ドープによる結晶格子歪は熱処理温度に伴って減少することから、熱処理により酸化チタンからドープ窒素が脱離すると同時に、空気中の酸素がドープされて元の未ドープ状態に回復し、可視光応答性が消失すると考えられる。 2.酸化チタン微粒子表面に形成させた低温プラズマ重合層構造と可視光応答性の関係 モノマーとしてオクタメチルテトラシロキサンを用いてプラズマ重合を行った酸化チタン微粒子表面層について、プラズマ重合時間30min以上でモノマー構造に由来する吸収が減少しシリカ類似構造により近づくことを明らかにした。プラズマ重合層のXPSC_<1s>スペクトルにおいて、282eV付近にピークが認められ、炭素原子が酸化チタンの酸素原子と置換することを確認した。電子構造解析によれば、炭素イオンがドープされた場合、窒素ドーピングと同様に価電子帯準位の上昇が起こることにより支持される。プラズマ重合酸化チタンを空気雰囲気400℃で熱処理すると、よりシリカ類似構造に近づいた。しかし窒素ドープの場合と異なり、依然可視光応答を示したことから、炭素の脱離が抑制されることにより、可視光応答性の熱的安定性が発現すると考えられる。
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Research Products
(2 results)