2005 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒を利用した塗料のセルフクリーニング効果の持続性評価
Project/Area Number |
17029071
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
本橋 健司 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, グループ長 (90344001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 昌隆 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 交流研究員 (10414971)
橋向 秀治 独立行政法人建築研究所, 材料研究グループ, 交流研究員 (40414974)
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Keywords | 光触媒 / 二酸化チタン / 屋外暴露試験 / 汚れ / 外装仕上げ / 塗料 / 耐久性 / 光沢 |
Research Abstract |
本研究課題では、光触媒を利用した代表的仕上げ材料である塗料についてセルフクリーニング性能の持続性を評価することを目的としている。また、塗膜の寿命は建築物と比較して非常に短いため定期的な塗替えが必要であり、適切な塗替え手法についても検討する。初年度である17年度は、約5.5年間屋外暴露試験した光触媒塗料の塗装試験体の外観評価を行った。 その結果、約5.5年経過した時点では、塗装試験体は光触媒によるセルフクリーニング効果が保持されているものと、大きく低下したものに大別できた。また、塗装試験体の白亜化度と明度差の関係からは次のようなことが明らかとなった。すなわち、(1)白亜化が進行している試験体においては、明度差が小さく、(2)白亜化が進行していない試験体においては、明度差の大きい試験体と明度差の小さい試験体が混在していることを確認した。 一般に、塗装試験体の白亜化が進行すれば表面の汚れが除去され、明度は上昇する。したがって、白亜化の進行はセルフクリーニング性の観点から有利であるが、塗膜の耐久性という観点からは好ましくない。一方、白亜化の進行が少なく、明度差も小さい試験体は、セルフクリーニング性と耐久性が両立している試験体と判断できる。このような条件を満たす暴露試験体を選別できた。 更に、屋外暴露及び促進耐候性試験を実施して劣化した塗装試験体を対象とし、数種類の塗替え仕様により補修塗装を行った。補修塗装を実施した試験体を用いて、再び、屋外暴露試験及び促進耐候性試験を実施しており、今後、塗膜の付着性、色差・光沢測定、光触媒活性等を評価する予定である。また、光触媒を利用した塗料の屋外暴露試験及び促進耐候性試験の結果を解析して、長期間での劣化傾向を予測し、セルフクリーニング性能の持続性の評価方法案を検討した。
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Research Products
(3 results)