2005 Fiscal Year Annual Research Report
中質量ブラックホールの観測的実証と臨界降着における放射機構の解明
Project/Area Number |
17030011
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
久保田 あや 独立行政法人理化学研究所, 牧島宇宙放射線研究室, 基礎科学特別研究員 (00391938)
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Keywords | ブラックホール / 質量降着 / 超光度X線天体 / X線天文 / 可視光観測 |
Research Abstract |
近傍銀河に知られる超光度X線天体(Ultraluminous X-ray souarce ; ULX)は、恒星質量ブラックホール(太陽の10倍程度の質量)と活動銀河中心核に存在する超巨大質量ブラックホールの失われた環をつなぐ中間の質量をもつブラックホールとして期待されている。本研究はこのULXの正体を観測的に解明することであり、今年度は、X線と可視光観測、およびスペクトルのモデル化によって、以下の点を明らかにした。第一に「すばる」望遠鏡で観測したM81銀河中のULXのデータ解析を進め、連星の軌道周期由来と思われる変動を確認するとともに、分光観測からこのULXに付随する輝線ネビュラの存在を示し、天文学会秋季年会において発表した。また、ULXのX線スペクトルを理解すべく、イギリスのクリス・ドーン博士と共同で高降着率で輝くブラックホールの降着円盤を記述するモデルスペクトルを構築した。この結果は恒星質量ブラックホールおよびその延長としてULXのスペクトルを理解する上で重要である。また今年度うちあげられたX線天文衛星「すざく」で観測されたNGC1313銀河中のULXの解析を大学院生らと共同で進めている。
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