2005 Fiscal Year Annual Research Report
マグマ模擬物質の交流浸透率テンソル測定による脱ガス過程の研究
Project/Area Number |
17031009
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 了 富山大学, 理学部, 助教授 (30262497)
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Keywords | 火山 / マグマ / 爆発 / 脱ガス / 浸透率 / 気泡 |
Research Abstract |
1.アナログ実験による気泡の変形・合体メカニズムの研究 マグマが"ガラス"であることに着目して,同じようにガラスである飴(水飴+砂糖)をマグマのアナログとして使用し,流動に伴う気泡の変形を調べた.温度が高く粘性が低い状態では,気泡は流動に伴い変形するが,力を取り除くと容易に球形に回復する.しかし,温度が低下しガラス的な挙動を示すようになると,変形した気泡は力を取り除いても回復しなくなることがわかった.今後は,このような,"十分軟らかいが回復しにくい",というガラスとしての特徴がどのように浸透性に寄与するのか,明らかにしていく予定である. 2.間隙圧ステップ法による雲仙掘削試料の浸透率測定 本研究では,雲仙科学掘削プロジェクトで得られた掘削コア試料の浸透率測定を行い,マグマおよび火道周辺における脱ガス過程についての情報を得ることを目指している.申請段階では,交流法(または間隙圧振動法)による浸透率測定を計画していたが,間隙圧の制御が困難であることから,間隙圧ステップ法を採用することにした. 構築した測定システムは10^<-20>(m^2)という非常に低い浸透率の測定まで可能であり,雲仙掘削試料(4個)について,常圧において10^<-19>〜10^<-17>(m^2)という浸透率を得た.とくに,平成火道と考えられている試料については10^<-18>〜10^<-17>(m^2)という値を得ている.予備的な組織観察では,試料にはほとんど空隙が見られておらず,非常に小さな(ミクロンオーダー)空隙が効率よく連結していることを示唆している.今後,詳細な組織観察を行い,浸透率に寄与している空隙を明らかにしていく予定である.
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