2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17031011
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
土山 明 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90180017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 司 産業技術総合研究所, 地球科学情報研究部門, 主任研究員 (90212092)
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Keywords | 火山爆発 / X線CT法 / 3次元構造 / 火山ガラス / SPring-8 / 発泡実験 / 時間発展 / 黒曜石 |
Research Abstract |
火山爆発の原因であるマグマ発泡現象のアナログ実験として、含水珪酸塩ガラス(黒曜石)の加熱発泡実験をおこない、マイクロトモグラフィーを用いてその3次元構造の時間発展(4次元構造)を明らかにした。 サンプルをステンレス製の字具に固定し、一定温度(850,900℃)で一定時間(5〜20分)加熱後冷却しCT撮影をおこなうというサイクルを繰り返した。あらかじめ予備加熱実験を大阪大学において既設の工業用高分解能CT装置を用いておこない、加熱温度と時間を決めた。本実験のCT撮影はSPring-8のBL20B2においておこなった(25keV、画素サイズ:4.34μm1344x1344マトリクス)。これにより、空隙の核形成速度・成長速度・空隙率・連結度・粒径サイズ分布などの時間発展を求めることができた。空隙粒子の数密度変化は、加熱後ある程度経過してから短時間の間に著しい核形成(〜70min^<-1>mm^<-3>)がおこったことを示している。空隙率の時間変化はJohnson-Merl-Avramiの式に従うことがわかった(べき数:6)。べき数が大きいことが、爆発的噴火に関連する可能性を指摘した。また個々の空隙粒子の成長速度を求めたが(3-9x10^<-5>mm/sec)、粒子サイズ依存性があるようにみえる。空隙サイズの分布は指数分布からべき分布へと変化する。また、発泡度が高くなると、体積膨張によりサンプルは上方に向かって膨張しながら流動する。空隙も上方に向かって移動し、移動に伴って合体が促進された。 今回の実験により、加熱サンプルの3次元構造の時間発展(4次元構造)の観察法と解析法を確立することができた。今後実験結果の解析をさらにすすめ、また異なった条件や異なったサンプルで実験をおこなうことにより、従来にない新しい情報により、マグマ発泡現象のメカニズムの理解を進めたい。
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Research Products
(3 results)