2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面触媒反応遷移状態を観測するXAFS-光励起蛍光分光XAFSによる試み-
Project/Area Number |
17034013
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 康雄 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (50251666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 俊秀 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50165057)
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Keywords | 活性表面 / 構造ダイナミクス / 放射線、X線、粒子線 / 解析・評価 / 触媒・化学プロセス / 光触媒 / メソ多孔体 / スペクトル解析 |
Research Abstract |
バナジウムKβ_<5,2>蛍光線を分光するためのGe(211)湾曲結晶および精密位置調整ホルダーを製作した。ブラッグ角79.34degで十分な蛍光計数を稼ぐため球面状湾曲結晶とし、ローランド配置での立体角のロスを減らした。 触媒活性種の価数選択的構造解析のため、また高エネルギー分解能蛍光X線検出によるスペクトル・ブロード化抑止のため、V Kβ_<5,2>分光と同様のセットアップで、鉛およびすず活性種について蛍光分光XAFS(X線吸収微細構造)測定を行なった。ローレンツ関数によるコンボルーション処理や多重散乱ab initio計算による考察により、価数選択とプロード化抑止効果が理論的に正当化できた。スペクトル解析を基に、鉛やすず活性種の触媒活性発現機構を記述し、英文論文で報告した。 光励起に応答する触媒探索を行なった。O=V(i-C_3H_7O)_3、Ti(i-C_3H_7O)_4、テンプレート剤よりメソポーラスV-TiO_2を合成した。またO=V(i-C_3H_7O)_3から、アナターゼ型TiO_2およびメソポーラス(アモルファス構造;比表面積1200m^2g^<-1>)TiO_2へ含浸した。キセノンアークランプからの紫外+可視光照射下、およびUVカットフィルターを設置して可視光のみ照射下でエタノール光酸化触媒作用をみた。紫外+可視光照射下ではメソポーラス材料がアナターゼ材料より高活性(主生成物:アセトアルデヒド)で、メソポーラスV-TiO_2では酢酸も生成した。可視光のみ照射下ではメソポーラスV-TiO_2が最も高活性で、脱水反応が支配的に進行した。V Kα_1検出蛍光分光XAFS解析により、メソポーラスV-TiO_2では、V^<IV>サイトがTiO_2マトリックス中のTiサイトを置換していることが分かった。これらの成果を国際学会発表、また英文論文とした(投稿中)。このV^<IV>サイトの光触媒作用への役割について、光励起ダイナミクスを絡めて18年度の本領域研究で調べる。
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Research Products
(8 results)