2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射光利用表面X線散乱法による電気化学活性界面の構造ダイナミクス解析
Project/Area Number |
17034017
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近藤 敏啓 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70240629)
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Keywords | 構造・機能材料 / 自己組織化 / 超薄膜 / ナノ材料 / 放射線・X線・粒子線 / 電気化学活性界面 / 表面X線散乱法 / 単結晶電極 |
Research Abstract |
本研究では、放射光利用表面X線散乱(SXS)法を利用して高い空間分解能で電気化学活性な電極/溶液界面の三次元構造を決定する事に加え、時間分解能が低いというこれまでのSXS法の欠点を装置や電気化学セルの工夫によって克服し、電気化学活性界面の構造ダイナミクスを高い時間分解能で測定・解析する事を目的としている。今年度の成果としては、最も一般的に利用されている金単結晶電極(Au(111)、Au(100))を用い、種々の電極電位におけるAu(111)/硫酸水溶液界面およびAu(100)/硫酸水溶液界面の静的三次元構造を厳密に決定した。具体的には、アニールクエンチ直後に0V(vs.Ag/AgCl)で浸した場合には、(【square root】3×23)-Au(111)構造およびhexagonal closed-packing-Au(100)構造という、いわゆる再配列構造をとっており、その上に1ML程度の水分子が吸着している事を明らかにした。電位を0Vから正側に掃引して0.95Vとすると、それぞれの電極の(1×1)構造の上に硫酸イオンとヒドロニウムイオンが1対1の対となって(【square root】7×【square root】7)R19.1°構造、(1.4×3.6)構造をとっている事を確認した。さらに電位を正側に掃引し1.05Vとすると、硫酸イオンに置き換わって酸素原子が(1×1)構造をとってon-topの位置に配列する事がわかった。1.40Vとすると表面1層目の金原子のみが酸化され、二重膜構造をとる。1.40Vで折り返し、負側に掃引して酸化膜を還元し0.65Vとすると、金(1×1)構造の上に0.95V時と同様に硫酸イオンとヒドロニウムイオンが1対1の対となって(【square root】7×【square root】7)R19.1°構造、(1.4×3.6)構造をとって吸着し、さらに0Vまで掃引すると、もとの(【square root】3×23)-Au(111)再配列構造およびhexagonal closed-packing-Au(100)再配列構造をとっている事を明らかにした。
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Research Products
(2 results)