2006 Fiscal Year Annual Research Report
放射光利用表面X線散乱法による電気化学活性界面の構造ダイナミクス解析
Project/Area Number |
17034017
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
近藤 敏啓 お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (70240629)
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Keywords | 構造・機能材料 / 自己組織化 / 超薄膜 / ナノ材料 / 放射線・X線・粒子線 / 電気化学活性界面 / 表面X線散乱法 / 単結晶電極 |
Research Abstract |
本研究では、放射光利用表面X線散乱(Surface X-ray Scattering ; SXS)法を利用して高い空間分解能で電気化学活性な電極/溶液界面の三次元構造を決定する事に加え、時間分解能が低いというこれまでのSXS法の欠点を装置や電気化学セルの工夫によって克服し、電気化学活性界面の構造ダイナミクスを高い時間分解能で測定・解析する事を目的としている。今年度は、電気化学分野では参照電極として日常的に利用されており、銀塩写真のもとともなっている銀/塩化銀反応に着目した。その成果としては、通常の銀電極では測定木可能な銀/塩化銀反応の構造追跡を、Au(111)単結晶電極上にアンダーポテンシャル析出(UPD)させたAg超薄膜を利用して、SXS法とともに走査型プローブ顕微鏡(STM)および水晶振動子マイクロバランス(EQCM)測定を利用して行った。Au(111)単結晶上にUPDさせた銀超薄膜は二層膜であることは、すでに報告しているが、この電極を塩化物イオンを含む電解質溶液に-0.2V(vs.Ag/AgCl,sat.NaCl)で浸しても、その二層膜構造は保持されていた。このAu(111)上銀二層膜を酸化(塩素化)するとAu(111)上に塩化銀のクラスター形成をともなって(【square root】13×【square root】13)R13.9°構造の塩化銀一層膜を経由して、(4×4)構造の塩化銀一層膜となり、これを還元(脱塩素化)するともとの銀二層膜とは異なり銀一層膜となることを明らかにした。また、これらの反応ダイナミクスを追跡し、還元に比べて酸化反応の方が極端に遅く、塩化銀の原子レベルでの二次元配列にはかなりの時間を要することが分かった。
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Research Products
(3 results)