2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17034028
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 庸裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (70201621)
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Keywords | 時間分解スペクトル / XAFS / EXAFS / XANES / DXAFS / QXAFS / 光触媒 / ダイナミクス |
Research Abstract |
我々は低温で駆動するアンモニアの酸化分解除去光触媒系(修飾酸化チタン系)や炭化水素の高選択酸化光触媒(表面金属酸化物錯体)を開発した。これらは次世代光触媒といえるもので従来型光触媒に比べ非常に高い活性と選択性を示す光触媒である。本研究においては,室温光照射下触媒活性過程におけるこれらの触媒系の表面種の状態変化をDXAFSあるいはQXAFSによってその場観察し,構造論・電子論・速度論の立場から活性化機構を明らかにすることが目的である。 1.担持バナジウム酸化物光触媒の活性種に関する研究 定常状態反応速度論,ルミネセンス,赤外吸収法により,活性種と活性サイト,活性サイトの構造変化についてその概略を検討した。炭化水素の光酸化反応の律速段階は光活性化された吸着炭化水素への酸素の吸着過程であり,反応はEley Rideal機構で進行する事が分かった(1)。また,ルミネセンスにより,表面活性種の励起機構(2,3)が示され,活性種がVO4(オルトバナジン酸)であることが分かった。また,赤外吸収法により,その活性点がV=O結合であることや,無酸素状態では電子リッチなアルコキシド中間体が安定に生成されることを見出した。 2.アンモニア酸化除去光触媒に関する研究 貴金属,特に白金の役割を明確にした。前処理無しでの誘導期が存在することを見出し,その誘導期が白金表面種の状態変化にあることを見出した。白金の活性化は酸化チタン上では容易に起るが絶縁体担体上では殆ど進行しないことをXAFSにより見出した。 3.金属酸化物上での酸化銀の光還元挙動 紫外可視スペクトルにより,酸化チタン上の銀イオンが光還元される様子とそのタイムスケールについて表面プラズモン吸収の変化により検討を行なった。シリカ上ではほとんど還元されないことも見出した。これに対応した時分割DXAFSスペクトルを測定することに成功した
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Research Products
(7 results)