2006 Fiscal Year Annual Research Report
非侵襲細胞分化追跡のための励起・蛍光マトリクス分光イメージング
Project/Area Number |
17034033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
兼松 泰男 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (00211855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 格雄 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 共同研究員 (80379148)
中村 亮介 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 共同研究員 (70379147)
市田 秀樹 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助手 (50379129)
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Keywords | 励起・蛍光スペクトル / 分光イメージング / 非侵襲 / 細胞分化 |
Research Abstract |
細胞および細胞外マトリクスにおける生体分子の挙動を時間分解励起・蛍光スペクトルマトリクスのリアルタイム解析による追跡手法を開発することを目的とする。特に、以下の3点を特徴とする。1)生体分子の自家蛍光に基礎を置くトレース法の追求、2)多重分光情報を効率よく取得できるシステムの構築、3)レーザー誘起消光・増幅・化学反応等の新規マーキング手法の検討。 励起・蛍光マトリクス分光による成分分離可能性を検証するために、均質系における実験的研究を行った。フェムト秒レーザーにより発生させた白色光を励起光源として、200psゲート付ICCDをディテクターとして用いることで、一括で時間分解励起・蛍光マトリクスデータを取得可能なシステムを構築した。励起波長・蛍光波長・蛍光寿命・蛍光強度という多重分光パラメータの取得と、差分・特異値解析等の数値解析手法を適用することにより、多成分混合系および光反応系において有効なターゲット追跡手法となることを示した。さらに、励起光に対してタイミング制御した可視フェムト秒パルス光(Dump光)を導入し、誘導放出を利用したPump(励起)-Dump(脱励起)過程を新規マーキング手法へと展開し、評価した。Dump光の波長を変えることで、電子励起状態において選択的に特定成分をマーキングし、成分分離能の向上を実証した。 イメージング実現のためにラインフォーカス顕微分光システムへと展開させた。励起光源として再生増幅Ti:Sapphireレーザーまたは自動波長可変フェムト秒OPAを用いた。励起光をサンプルに対してライン状に集光し、空間走査軸をひとつ減らすことにより、高速イメージ取得を実現した。開発したラインフォーカス顕微分光システムを植物組織への感染応答の検出に用いた(班内共同研究)。蛍光スペクトル、蛍光寿命、空間分解等を組み合わせることで、通常、葉緑体蛍光などの強い自家蛍光に妨害されて観測が困難な、感染刺激に対する二次代謝産物の自家蛍光を捉え、その組織細胞上の分布情報を取得することに成功した。
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Research Products
(2 results)