2005 Fiscal Year Annual Research Report
感熱応答性ナノ高分子ハイドロゲル微粒子のダイナミクスとミクロ環境変化
Project/Area Number |
17034041
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岩井 薫 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (90127423)
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Keywords | 感熱応答性高分子 / 高分子ゲル微粒子 / 蛍光ラベル / 熱相転移 / ミクロ環境 / 顕微分光法 |
Research Abstract |
近年,さまざまな機能を持つ高分子材料が創造,実用化され,私たちの生活に大きく貢献している。現在,外界からの熱刺激に対する応答機能を持つ感熱性高分子として最も注目を浴びているのはN-イソプロピルアクリルアミドポリマー(PNIPAM)とその仲間であろう。架橋構造を持つPNIPAMハイドロゲルは,相転移温度(約34℃)を境に低温側で膨潤,高温側で収縮する。研究代表者らは,蛍光ラベル法による感熱応答性高分子の水溶液およびゲル系の応答挙動ならびにミクロ環境の研究を展開し,現在,新規の感熱応答性高分子の開発研究やマイクロ〜ナノサイズのハイドロゲルの開発研究を行っているところである。本研究では,これまで行ってきた蛍光ラベル法による感熱応答性高分子の応答挙動ならびにミクロ環境の研究をさらに発展させ,感熱応答性ナノ高分子ハイドロゲル微粒子個々の熱相転移に伴う構造変化のダイナミクスの解明を目指す。今年度は,主に以下(1)〜(4)に示す実験を実施した。 (1)蛍光プローブでラベルした感熱応答性ナノ高分子ハイドロゲル微粒子を種々の条件下(試薬の種類や濃度)で合成した。 (2)合成したハイドロゲル微粒子のサイズやゲル分散水溶液系の感熱応答性について検討した。 (3)合成したハイドロゲル微粒子の感熱応答挙動およびそれに伴うミクロ環境の変化を蛍光法により検討した。 (4)時間分解レーザー分光蛍光測定サンプルとして適当なハイドロゲル微粒子を選択すると共に,個々のハイドロゲル微粒子の熱相転移を時間分解顕微レーザー分光蛍光測定に着手した。
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