2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体-蛍光性半導体ナノ結晶界面構造反応の単一粒子・単一分子蛍光計測
Project/Area Number |
17034042
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 靖哉 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80324797)
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助手 (70379543)
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Keywords | 導電性高分子 / π共役系 / フォトクロミック / 分子スイッチング |
Research Abstract |
II-VI族半導体は発光性材料として広く研究されてきた。特に近年、ナノメートルサイズの半導体結晶においてその発光現象が広く検討されている。ナノ結晶の構造上の特徴として、表面に有機分子を保護層として有していることが挙げられ、さまざまな有機配位子に関する工夫や提案も進められている。このように半導体ナノ結晶は有機化学からの工夫の余地が広く、また界面におけるダイナミックな反応の解析と制御を目指す本特定領域の趣旨からも興味深い研究対象のひとつであると考えられる。 本研究ではこれまでに見出されたイオン性液体中におけるCdTeナノ結晶からの蛍光の増強現象の解明とイオン液体中におけるCdTeナノ結晶の単一分子レベルの蛍光計測を進めた。イオン液体中においてはCdTeナノ結晶の蛍光は冷却に伴ってさらに増強されることが見出された。このような低温での蛍光増強は水溶液中で蛍光が低下することとまったく逆の傾向となった。さらに100K以下ではほぼ100%の蛍光量子収率を示すことが明らかになった。また、その発光波長は低温では格子定数の低下に伴い、次第に短波長シフトすることが見出された。20K以下の低温では、逆に発光波長が長波長シフトする現象が見出された。この傾向はCdSeなど関連するナノ結晶で見出されており、励起子の電子準位が電子間の交換相互作用により分裂していることに対応している。ナノ結晶の粒径が小さくなると分裂幅が増大する傾向が認められた。また他に単一なの結晶レベルの蛍光検出に成功し、その自己相関関数から表面分子の解離が示唆された。
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