2006 Fiscal Year Annual Research Report
金ナノロッドの光反応に誘起される単一細胞内反応の設計と計測
Project/Area Number |
17034049
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
新留 康郎 九州大学, 工学研究院, 助教授 (50264081)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新留 琢郎 九州大学, 工学研究院, 助教授 (20264210)
山田 淳 九州大学, 工学研究院, 教授 (30136551)
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Keywords | 金ナノロッド / 近赤外光 / 単一細胞分析 / 細胞毒性 |
Research Abstract |
金ナノロッド表面をリン脂質(phosphatidylcholine)で修飾することで細胞毒性を大幅に緩和できることを明らかにした。水中のリン脂質修飾金ナノロッドは正のゼータ電位を示し、金ナノロッド合成時に共存していたカチオン性界面活性剤(Hexadecyltrimethylammonium bromide : CTAB)が粒子表面に残存していることがわかった。本研究で用いた金ナノロッドは体積が比較的小さいため孤立分散の状態では光を散乱する能力が小さいことがわかった。 血清を含む液体培地(DMEM)にこのリン脂質修飾金ナノロッドを添加し、HeLa細胞への金ナノロッドの取り込み挙動を検討した。金ナノロッドの分布は暗視野照明を用いて観察した。用いた金ナノロッド自体の光散乱効率が小さいためにナノロッド1個ずつの分布を観察することはできなかった。しかし、金ナノロッドを含む培地に5分間浸漬した細胞からは強い散乱光を観察することができた。散乱光は金ナノロッドの凝集体に由来すると考えられた。さらに、10分までの浸漬では散乱光は主として細胞質から観察されるのに対して、15分以降は細胞質より核から強い散乱光が観察された。これは金ナノロッドが最初は細胞質に、さらに長時間の浸漬によって核に移行することを示している。CHO細胞を金ナノロッド含有培地に浸漬した場合はHeLa細胞よりも散乱性凝集体の生成効率が低く、1時間浸漬後でも散乱光強度が増加してこないことが明らかになった。
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