2005 Fiscal Year Annual Research Report
光機能性フォトクロミック有機微結晶の配列制御と反応ダイナミクス
Project/Area Number |
17034055
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小畠 誠也 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00325507)
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Keywords | フォトクロミズム / 結晶作製 / ジアリールエテン / 顕微赤外分光 / 反応ダイナミクス / 微結晶 / 昇華 / 着色 |
Research Abstract |
結晶構造を自由に制御し、望みの構造や物性が光により可逆的に変化する有機結晶材料の創製を目指している。有機結晶は分子が規則正しく配列し結晶格子に固定されているためにポリマーやアモルファス材料にはない固体物性の異方性が存在し、大きな物性変化が期待される。これまでに、熱安定性と繰り返し耐久性に優れたフォトクロミックジアリールエテン結晶の研究を進め、結晶中での高効率着色反応性、反応初期での分子構造変化の解明、ナノ構造の制御などを行っている。ジアリールエテン結晶では、これまでに長時間紫外光を照射しても10%程度までしか反応は進まなかった。本年度の研究では、高効率に高変換率まで反応するフォトクロミック結晶の創製と高変換率までの光反応ダイナミクスの解明について検討した。 ジアリールエテンの薄膜微結晶は昇華(蒸着)によりガラス基板およびKBr基板上に作製した。薄膜微結晶の厚みは数十nmから数μm程度であり、紫外光照射により青く着色し、フォトクロミズムを示した。フォトクロミック反応に伴う変換率を測定するために、顕微赤外吸光法を用いた。この方法では、赤外光を用いるために、非破壊での変換率の計測が可能である。1260cm^<-1>付近のチオフェン環由来の吸収ピークの減少から変換率を決定した。366nmの紫外光照射により、数秒の短時間で70%程度まで反応が進行することを明らかにした。紫外光照射においても光戻り反応があるため、100%の変換率まで到達せず、光定常状態となった。また、X線構造解析による反応の追跡、可視吸収スペクトル測定により、反応機構について検討した。
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Research Products
(7 results)