2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオチド結晶における相転移の分岐およびサイクル現象の時間展開・空間展開の解析
Project/Area Number |
17034057
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
菅原 洋子 北里大学, 理学部, 教授 (10167455)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 滋典 北里大学, 理学部, 助手 (40286373)
|
Keywords | 相転移 / ヌクレオチド / 水和物 |
Research Abstract |
核酸の構成単位であるヌクレオチド水和物結晶に誘起される温度および水蒸気圧に依存した相転移現象について、相転移の時間展開、空間展開の解析をめざし、X線回折法、分光法等を用いその解析を進めてきた。平成19年度においては、 1.湿度制御ガス気流下でX線回折強度測定が可能なシステムを構築し、サイクル様の現象現象(往路と復路で異なる中間体を経由する相転移)がおこるグアノシン結晶において、無水物から2水和物への吸湿過程でのみ観測される中間状態の構造解析に成功した。中間状態は1.25水和物相当であり、中間状態から2水和物への転移に伴い、分子のグリコシド結合周りのコンフォメーションがsynからantiへと大きく変わることが明らかになった。昨年度解析に成功したデオキシグアノシン5'-リン酸ニナトリウムの系と同様、相転移の進行は分子の顕著なコンフォメーション変化を伴っており、これに由来し、相転移点におけるエネルギー障壁が高いことが準安定状態の出現を誘起し、サイクル様相転移の原因になっているとみられる。 2.湿度連続可変条件下で単結晶試料の偏光顕微鏡観察が可能なシステムを構築し、イノシン5'-リン酸ニナトリウム(Na_2IMP)およびキシロースイソメラーゼ単結晶について、相対湿度条件に依存した相転移を追跡した。両結晶とも相転移の進行に伴い、一過的に結晶の光透過性の局所的な変化がおこり、相転移の空間および時間進行をモニターすることに成功した。本方法を用い、時間分解能としてはmsecオーダー、空間分解能はμmオーダーでの相転移の追跡が可能である。
|
Research Products
(3 results)