2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射光赤外反射吸収分光による膜タンパク/脂質二重膜表面反応場の極微構造解析
Project/Area Number |
17034064
|
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
宇理須 恒雄 分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 教授 (50249950)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
手老 龍吾 分子科学研究所, 極端紫外光科学研究系, 助手 (40390679)
田中 桂一 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (50037280)
原田 賢介 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (70165017)
|
Keywords | FTIR / シリコン / タンパク質 / アビジン / ジャイアントベシクル / ベシクルフュージョン / 脂質二重膜 / 赤外反射吸収スペクトル |
Research Abstract |
(1)液循環型BML-IRRAS測定装置の製作に着手し、装置の納品を完了した。通常光源のFTIR分光器(日本電子、SP7000)に接続し、基本性能の確認を以下の手順で行った。(1)システム全体の赤外光の透過率と基本雑音レベル測定。(2)図に示したBML基板として、SiO_2/CoSi_2/Si(100)基板(表面凹凸<1nm)を製作し、プリズム基板のギャップにD_2Oを満たし感度などの性能を確認した。1000cm^<-1>から3000cm^<-1>の主要な測定範囲で雑音が1〜2x10^<-4>(アブソーバンス)と当初の予定の値が得られた。 (2)シリコン基板表面をCOOH修飾し、COOHとタンパク質のリジン残基との反応を利用して、表面にアビジンを固定。固定したアビジンの配向を赤外反射吸収スペクトルと透過スペクトルから決定する手法を確立し、アビジンが大気中では変性するもののβバレル構造は変化しないで元の構造が保たれて、かつ分子の対称軸を基板に対して垂直に保って固定されることを見いだした。 (3)シリコン基板の表面をNH_2基で修飾し、マイナスにチャージしたジャイアントベシクルを形成し、ベシクルフュージョンを試み、Ca+イオンフリーでベシクルがラプチャーし二重膜を形成出来ることを確認した。電解質溶液のイオン強度を大きくすると二重膜の形成効率が低下することを確認した。 (4)シリコン基板表面をウエット酸化し、その表面でのベシクルフュージョンにおいて基板表面のOH基の密度を変えると脂質二重膜の形成速度が変化することを見いだした。Ab initio計算により、OH密度が上がると、その周辺にできる水のクラスターが安定化することが判明した。この水のクラスターのため、ベシクルのラプチャーの効率が低下することで現象を説明できる。
|
Research Products
(7 results)
-
-
-
-
[Journal Article] Giant Vesicle Fusion on Microelectrods Fabricated by Femto Second Laser Ablation Followed by Synchrotron Radiation Etching2005
Author(s)
Md.Mashiur Rahman, Youichi Nonogaki, Ryugo Tero, Yon Hoon Kim, Hidetaka Uno, Zheng-Long Zhang, Takayuki Yano, Masaki Aoyama, Ryuichiro Sasaki, Hiroyuki Nagai, Makoto Yoshida, Tsuneo Urisu
-
Journal Title
Jpn.J.Appl.Phys 44
Pages: L1207-L1210
-
-
-