2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17034068
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石川 満 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究センター, 研究チーム長 (70356434)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BIJU V・Pillai 独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究センター, 研究員 (60392651)
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Keywords | 量子ドット / CdSe / 発光 / 点滅 |
Research Abstract |
本研究では、研究代表者らが独自に開発した新しい合成法、すなわち低温法(50℃以上100℃以下、至適70-80℃)を駆使して、量子ドットおよびその表面修飾法を網羅的に調べた。従来の発光性半導体ナノ結晶は、秒〜数十秒にわたる不規則な間隔で発光がON-OFFする点滅現象を示すことが知られている。それに対して、本研究で得られた量子ドットはすべて秒以下の点滅を示した。反応条件を選択することによって点滅現象を制御できることを初めて見出た。 観測している発光輝点に含まれるナノ結晶の個数が1個であることを確認するために、直線偏光した励起光を用いた発光特性評価および光子相関のアンチバンチング現象を確認した。また、原子間力顕微鏡、透過電子顕微鏡、X線回折装置を用いてナノ粒子のサイズおよび構造の評価を行った。得られたナノ結晶の点滅現象に注目して単一量子ドット発光の時間変化トラジェクトリを計測して解析した。発光量子収率、発光寿命等を詳しく調べた。 その他、種々の条件で量子ドットを調製する過程で、反応条件に依存して直径2.5-4nmのCdSe量子ドット5-10個から構成される量子ドットクラスター(平均直径〜27nm)が形成されることを見出した。その発光特性に対する室温近傍(298-353K)における温度依存性を調べたところ、温度の上昇とともに、発光効率が低下し、発光スペクトルの長波長シフトが観察された。従来、量子ドットの発光効率は、あまり温度に依存しないことが知られていた。しかし、クラスター化することによって、温度依存性が大きくなることを初めて見出した。また、量子ドットの調製過程で、結晶成長の初期過程について、実験と理論の両面から、初めて結晶核の吸収スペクトルを同定しその構造を推定することに成功した。
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Research Products
(4 results)