2005 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアの天然薬物から酵母Ca^<2+>シグナル伝達阻害物質の探索と医薬への応用
Project/Area Number |
17035033
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
門田 重利 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 教授 (90115163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 都吉 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (10116676)
手塚 康弘 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 助教授 (70236975)
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Keywords | 酵母 / Ca^<2+>シグナル伝達 / ポジティブスクリーニング / Tram Bau / 和羌活 / 木蝴蝶 |
Research Abstract |
酵母のCa^<2+>シグナル伝達に作用する生薬のポジティブスクリーニングを行った結果ならびに作用機序等について概要を記す。 1)漢薬を中心とする約1000の天然薬物抽出液についてのスクリーニング スクリーニングの結果、Tram Bau、和羌活、木蝴蝶などの23種のサンプルに活性を認めた。 2)ベトナム生薬Tram bau (Combretum quadrangulareの葉)の活性成分ならびにmethyl quadrangularate Oの作用機序の検討 Combretum quadrangulareより単離した40種の化合物についてポジティブスクリーニングを行ったところ、methyl quadrangularate Oに活性を認めた。次に、CN過剰発現株を用いて検討したところ、methyl quadrangularate OはCN経路を阻害することが示唆された。さらに、CN欠損株がLi^+感受性を示すという性質を利用して、野生株について検討した。その結果、methyl quadrangularate OがCN経路を阻害することが確認された。続いて、CN阻害剤であるcyclosporin Aや、FK506と作用点が同じかどうか検討した。それぞれの薬物の作用点のタンパク質をコードする遺伝子を破壊した株を作製し、それらに対するmethyl quadrangularate Oの作用を見たところ、活性の消失は見られなかった。よってmethyl quadrangularate Oは、cyclosporin AやFK506とは異なる作用点をCN経路上に持つと示唆された。今後、更なる解析を行う予定である。 3)和羌活(Aralia cordataの根)の活性成分の検討 カウラン型、ピマラン型ジテルペンと共に、活性化合物としてfalcarindiolを単離した。絶対配置、及び作用点等について現在検討中である。 4)木蝴蝶(Oroxylum indicumの種子)の活性成分の検討 活性成分として、フラボノイド6種、フラボノイドグルコシド5種を単離・構造解析した。現在これらの化合物について作用機序を検討中である。 5)ベトナム産薬用植物のスクリーニング ベトナムの伝統医が使用する178種の生薬の70%EtOH抽出液について、ポジティブスクリーニングを行った結果、非常に強い活性を示した7種ならびに強い活性を示した16種を見出した。現在、これらの生薬の活性成分について検討している。
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