2005 Fiscal Year Annual Research Report
抗腫瘍活性天然物の合成と分子生物学研究用ツールの開発
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17035052
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前崎 直容 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (00229296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 徹明 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116059)
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Keywords | murisolin / longimicin D / ヒトがん細胞パネル / COMPARE分析 / アセトゲニン / NBD-solamin / clavilactone D / プロテインキナーゼ阻害作用 |
Research Abstract |
抗腫瘍活性天然物の効率的な合成法を確立し、これを基盤技術として分子生物学研究用ツールを開発することを目的に研究を展開し、その結果以下に示す成果を得た。 1)Murisolin類縁体及びLongimicin Dの不斉全合成 がん細胞に対して強い細胞毒性を示すアセトゲニン類の基本的合成法を確立するため、独自に開発したpoly-THFユニットの立体選択的合成法を応用してmurisolinとlongimicin Dの初めての不斉全合成を達成した。また、murisolinのTHF環部の立体異性体を合成し、ヒトがん細胞パネル評価とCOMPARE分析を依頼し、39種のヒトがん細胞に対してフィンガープリントの収集、並びに、類縁体間や既存薬とのCOMPARE分析により作用機作の比較を行った。 2)蛍光標識化アセトゲニン類の合成 アセトゲニン類はミトコンドリアの複合体Iに存在する酸化還元酵素を阻害することにより細胞毒性を示すとされているが、酵素阻害作用と細胞毒性の構造活性相関は必ずしも一致しない。 そこで、アセトゲニン類の細胞透過性や分布を明らかにするために、アセトゲニンの蛍光標識化を検討した結果、NBD-solaminの合成に成功した。また、蛍光顕微鏡を用いて細胞内動態を調査した。 3)Clavilactone Dの合成研究 がんの転移、血管新生などを促進する上皮細胞増殖因子(EGF)受容体の情報伝達に関わるプロテインキナーゼを阻害する作用を持つclavilactone Dの基本合成経路を確立すべく検討を行った。その結果、将来ベンゾキノン部を構築するために必要な五置換ベンゼン鍵中間体のラセミ合成に成功した。
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Research Products
(3 results)