2005 Fiscal Year Annual Research Report
腸管免疫機能活性化を標的とした抗腫瘍および癌転移抑制剤の探索
Project/Area Number |
17035059
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
木村 善行 愛媛大学, 医学部, 講師 (20294796)
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Keywords | 天然薬物 / 腸管免疫機増強作用 / 抗腫瘍作用 / 抗転移作用 / 腫瘍血管新生阻害作用 / VEGF受容体-2のリン酸化阻害 / 腸管リンパ球 / 活性成分の単離・構造決定 |
Research Abstract |
【研究目的】 本研究は、腸管免疫機能活性化(ナチュラル・キラーやインターフェロン-γの増強)作用を標的として、天然薬物から活性成分を単離し、抗腫瘍・抗転移効果およびその作用機構について検討した。 【研究実績の概要】 1.数10種類の天然薬物を選択し、タイ産生薬Cassia garrettiana心材やAngelica japonica根のEtOH抽出エキスに小腸から調整した腸管上皮間リンパ球のナチュラルキラー活性増強作用と共にヒト臍帯静脈血管内皮細胞の血管腔形成抑制作用を見出し、その活性成分を単離した。また、エイコサペンタエ酸(EPA)の長期保存によって生じたEPA誘導体に活性酸素増強作用および血管新生阻害作用を見出し、そのEPA誘導体の構造を決定した。 2.C. garrettiana心材から活性成分としてアントラキノン誘導体Cassialoin、A. japonica根からクロモン誘導体3'-O-acetylhamaudolを単離した。長期保存によるEPA誘導体として、新規な2量体とhydorxyethylesterを単離した。 3.上記化合物類は、Colon26大腸癌移植やLLC癌細胞移植マウスにおいて、癌増殖および腹部や肺への転移を抑制した。 4.これら化合物の作用機構については、癌や腸管組織の免疫組織化学および細胞培養でのVEGF産生やVEGF受容体-2のリン酸化等の検討から、以下の知見を得た。 (1)Cassialoinの作用機構は、血管新生抑制作用で、詳細な機構は現在解明中である。 (2)3'-O-Acetytlhamaudolの作用機構は、VEGF受容体-2のリン酸化阻害による血管新生抑制と腸管免疫活性化作用に基づくことを明らかにした(現在、論文は投稿中)。 (3)EPA誘導体は、活性酸素増強によるアポトーシス誘導および血管新生抑制作用によることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)