2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17035073
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
加藤 正 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (50382669)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 一弘 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (10382673)
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Keywords | 分子標的抗がん剤 / 化学合成 / オッテオリン / チュブリン重合阻害剤 / スピルコスタチンA / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / テロメスタチン / テロメラーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
本特定領域研究では,『新しい分子標的抗がん剤』として大きな期待が寄せられている,水草由来の極微量成分であるオッテリオンA, B(チュブリン重合阻害活性),微生物由来であるスピルコスタチンA(ヒストン脱アセチル化酵素阻害活性)およびテロメスタチン(テロメラーゼ阻害活性)を取り上げ,大量供給可能な合成ルートの開発,新規抗がん剤候補化合物の探索,およびその探索を可能にする革新的の合成手法を開発することを目的として研究を行った。 チュブリン重合阻害剤であるオッテリオンA, Bに関しては、大量合成が可能な合成ルートの開発に成功した。実際に本合成法を用いてサンプル合成(〜50mg)を行い、生物活性試験を行った。その結果、これら化合物が非常に強力なチュブリン重合阻害活性(有効濃度〜0.1nM)を有することを明らかにした。この活性は現在、臨床で用いられているビンブラスチン/ビンクリスチン,タキソールの10〜100倍であることが判明した。 ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であるスピルコスタチンAに関しては、まず始めに、新しいタイプのジスルフィド結合形成反応の開発を行い、その後、ジスルフィド化合物の大環状ラクトン/ラクタム環化反応を達成し、スピルコスタチンAの重要前駆体の合成を達成した。本合成法は効率的で柔軟性に富み、多くの類縁物質の合成を可能にした。 テロメラーゼ阻害剤であるテロメスタチンに関しては,前例のないオキサゾールのホウ素試薬の開発に初めて成功した。さらに、鈴木-宮浦クロスカップリングを用いた直接的なオキサゾールC2-C4'結合形成反応も見いだすことに成功した。本合成方法論は天然物であるテロメスタチンのみならず、ポリオキサゾールの一般的な合成法になりうるものであり、新規テロメラーゼ阻害剤の開発に繋がるものと期待される。
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Research Products
(6 results)