2005 Fiscal Year Annual Research Report
表面配位不飽和空間を利用した配位高分子ナノ結晶の物性及び形態制御
Project/Area Number |
17036003
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
栗原 正人 山形大学, 理学部, 助教授 (50292826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 真実 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (60362026)
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Keywords | 配位高分子 / ナノ結晶 / 配位不飽和 / プルシアンブルー / 逆ミセル / 粒径制御 / モルフォロジー / 表面エネルギー |
Research Abstract |
配位高分子及び金属錯体は、結晶のナノサイズ化によりその表面に露出した2種類の配位不飽和場(金属サイト・配位子サイト)の結晶全体に占める割合が数十%に及ぶようになる。本研究では、このナノ結晶の配位不飽和場に着目し、ここに異なる金属(錯)イオン・配位子を化学修飾することにより達成される以下の項目を研究対象とした:(1)配位高分子ナノ結晶の粒径制御、(2)結晶表面の電子状態(酸化還元電位・配位子場エネルギー)の制御、(3)結晶表面エネルギーに依存したナノ結晶のモルフォロジー制御、(4)配位高分子ナノ結晶のインク化技術の開発。長鎖アルキルピリジン配位子を有するペンタシアノ錯体(エンドキャップ錯体)を用いたFe-CN-Co型プルシアンブルー類似体(PBA)ナノ結晶の粒径制御を行った。エンドキャップ錯体は、長鎖アルキル基を有するため、結晶表面にのみPBAのその構成成分となるため、PBAナノ結晶の粒径はエンドキャップ錯体の存在比(被覆率)に依存すると予想される。実際に、被覆率40%になるようにエンドキャップ錯体を添加したときのPBAナノ結晶の逆ミセル合成では、そのTEM像から平均粒径が7.4nmのナノ結晶が観測された。これはその被覆率から予測される理想的な粒径と一致した。さらに、逆ミセル溶液から単離されたエンドキャップ被覆PBAナノ微粒子は結晶表面に長鎖アルキル基を有するため、殆どの有機溶媒に再分散できることも分かった。また、溶媒性質に依存して分散溶液中のナノ結晶どうしの凝集度合いが異なることが、動的光散乱測定から明らかになった。クロロホルム中では、個々のナノ微粒子は凝集せず分離した状態で分散しており、一方で、トルエン中では100nm程度の大きさの凝集体になっていることが分かった。
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Research Products
(2 results)