2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17036005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鍋島 達弥 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (80198374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋根 茂久 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (30323265)
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Keywords | 超分子化学 / 分子認識 / 配位結合 / 応答性分子 / 協同効果 |
Research Abstract |
本研究では、外部因子に応じて異なる自己集積体を形成させたり、異なる機能を発現させたりすることのできる応答性ホストを、動的錯体からなる配位空間を利用して構築することを目的とした。配位空間を「矩形配位空間」と「球状配位空間」に分け、ゲストや酸化還元による動的機能の制御を試みた。 矩形配位空間として、テルピリジン白金(II)錯体部を平行に配置したクレフト型ホストを設計した。このホストは、構成要素となる3,3'-(1,3-フェニレン)ビスピリジンに2当量の[Pt(terpy)](BF_4)_2を錯形成させることにより合成した。ゲスト認識能について^1H NMRにより検討したところ、π平面が大きいナフトール誘導体が強くこのクレフトに認識されることがわかった。さらに結晶中のホストゲスト会合体の構造も明らかにすることができ、テルピリジン白金錯体部位とゲスト分子(2,6-ナフタレンジオール、レゾルシノール)がπ-πスタッキングして会合体となっていることがわかった。また、ゲストを添加すると溶液が黄色からオレンジ色に変化し、紫外可視吸収スペクトルでも、400-600nmにかけてのCT吸収が観測された。つまりゲストを取り込みにはCT相互作用も効果的に働いていることが示された。 球状配位空間として、正八面体型の鉄-ビピリジン錯体部を構成要素とする擬クリプタンド型アニオンレセプターを設計・合成した。認識場となる空間を包み込むような形になるように三つの尿素部位を導入し、アニオンの効果的な包接にふさわしい構造とした。この系においては、認識場の近傍に位置する鉄-ビピリジン錯体部とゲストの静電相互作用の大きさをレドックスにより変化させることで、アニオン認識能の制御に成功した。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Tricyclic Pseudocryptand Formed by Reaction of Fe^<II> with Tripodand Bearing Triazacrown Ether
Author(s)
Nabeshima, T., Tanaka, Y., Saiki, T., Akine, S., Ikeda, C., Sato, S.
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Journal Title
Tetrahedron Lett. (in press)
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