2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17036014
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 大介 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90311662)
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Keywords | 有機金属ロタキサン / 酸化還元 / 末端封止 / フェロセン / 白金 |
Research Abstract |
レドックス活性であるフェロセンを軸分子に含む有機金属ロタキサンの合成と機能評価をおこなった。シクロペンタジエニル配位子にアミノメチル基を有するフェロセンは水素ラジカルの存在下で一電子酸化をおこなうと、アミノ基が非プロトン条件でもプロトン化されることをみいだし、これを用いる擬ロタキサン形成反応をおこなった。適当な環サイズを有するクラウンエーテルの存在下で上記の酸化反応を試みたところ、アミン部分のプロトン化とともにクラウンエーテルのジアルキルカチオン部分の包摂がおこり、擬ロタキサンが生成した。この有機金属擬ロタキサンは単結晶X線構造解析で、そのインターロック構造を明らかにし、軸状分子と環状分子との相互作用も定量的に評価することができた。さらに、この擬ロタキサンは結晶相転移をおこすことも明らかになり、温度に応じて物性をスイッチングする超分子として機能することがみいだされた。 上記の反応で生成する有機金属擬ロタキサンはその末端をビニル基のメタセシス反応によってかさだかい官能基により封止し、インターロック構造を固定することができた。この場合に交差メタセシス反応が円滑に進行するように、末端ビニル基の周辺置換基やメタセシス触媒の種類にも選択が必要であることを明らかにした。 有機白金錯体を軸成分分子に有するロタキサンを独自の方法で開発し、その周辺の微小空間の動的な変化について明らかにした。このロタキサンは見かけ上かさだかい基で封止されているにもかかわらず、その環状分子のすりぬけなどの挙動を示すことから、配位結合のすみやかな解離、生成が可逆におこって熱力学的に安定な擬ロタキサンを生成していることがわかる。
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Research Products
(3 results)