2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17036035
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今野 巧 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50201497)
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Keywords | 錯体配位子 / 錯体ポリマー / キラリティー / 配位空間 / チオール配位子 / コバルト(III) / 金(I) / 金属超分子 |
Research Abstract |
本研究では、比較的単純なアミノチオール型配位子を用いたキラルな単核、多核の錯体配位子の合成、および得られた錯体配位子と各種遷移金属イオンとの反応による混合金属型キラル配位空間の創製とその構造制御について検討した。 その結果、D-ペニシラミンを配位した金(I)酸錯体([Au(D-pen-S)_2]^<3->)に銀(I)イオンと銅(II)イオンを段階的に反応させると、Au^IAg^ICu^<II>三種混合型の金属超分子が形成されることを見出した。この金属超分子は、20核のAu^I_6Ag^I_8Cu^<II>_6カチオンケージと21核のAu^I_6Ag^I_9Cu^<II>_6アニオンケージから構成されており、それぞれのケージの中心の配位空間には塩化物イオンが包接されていた。さらに、これらのカチオンとアニオンの金属超分子ケージは、配位結合および水素結合により互いに連結しあい、巨大な岩塩型格子構造を形成していることも判明した。これにより、[Au(D-pen-S)_2]^<3->が多座の錯体配位子として有効に機能すること、さらに、この錯体から合成されるAu^I_2Ag^I_2四核錯体がユニークな配位空間をもつ金属超分子のビルディングブロックとなり得ることが示された。一方、L-システインを配位したコバルト(III)単核錯体([Co(L-cys-N,S)(en)_2]^+)のΔ_L体に銀(I)イオンと銅(II)イオンを段階的に反応させると、Co^<III>、Mn^<II>、およびAg^Iを5:3:2の割合で含む錯体ポリマーが得られた。単結晶X線解析の結果、この化合物中には1次元チャネルが存在しており、その1次元チャネルの配位空間には、キラルな錯体分子(Δ_L-[Co(L-cys-N,S)(en)_2]^+)が取り込まれていることも分かった。
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Research Products
(6 results)