2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ層状空間と配位空間の共役による金属錯体の外場応答
Project/Area Number |
17036055
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
井上 晴夫 首都大学東京, 都市環境学部, 教授 (90087304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 慎介 首都大学東京, 都市環境学部, 助手 (40281240)
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Keywords | ナノ層状化合 / 粘土 / ポルフィリン / 吸着 / 配向 / ソルバトクロミズム |
Research Abstract |
カチオン交換性ナノシートとして、化学合成粘土鉱物であるスメクトンSA(SSA)、ポルフィリンとして、二価、および四価のカチオン性ポルフィリン類を用いナノ層状環境における色素分子の吸着挙動について検討した。水溶液中で剥離したナノシート上でのポルフィリン分子の配向状態について検討した。剥離したナノシート-ポルフィリン複合体のモノレーヤーを導波路ガラス上にキャストしエバネッセント波を用いた二色測定を試みた。導波路ガラスを水で覆った試料では、極大吸収波長が455nmであり、殆どs波のみからなる二色性を示した。一方、DMFで試料を被覆した時は、極大吸収波長が約30nmも短波長シフトするとともに、二色性比が逆転しp波による吸収がs波による吸収に比べ大きくなった。これらの結果より、周囲の溶媒環境により、ポルフィリン分子はナノシート上で配向制御しうることが解った。複合体の機能性を検討するため、ナノシート-ポルフィリン複合体の透明複合膜の作成について検討した。ナノシート水溶液とポルフィリン水溶液を適切な濃度条件下で混合し、メンブランフィルターによりろ過した。ろ過された試料をガラス基板上に移しとる事により、透明なナノシート-ポルフィリン複合体の作成に成功した。作成した複合膜は吸収スペクトル、XRD測定により周囲の環境応答について観察した。 空気下では、464nmに吸収極大を有し、層間距離は0.42nmであった。一方、DMF下では、424nmに吸収極大を有し、層間距離は0.92nmと拡大した。これらの結果、及び、単層剥離系での二色性分光の知見を合わせて考えると、複合体層間でのポルフィリンの配向変化に基づく構造変化が起きている事が考えられる。
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Research Products
(6 results)