2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17038005
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
木村 薫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30169924)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐原 和大 産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究員 (70392610)
越崎 直人 産業技術総合研究所, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究チーム長 (40344197)
|
Keywords | 超伝導材料・素子 / ナノ材料 / クラスター / ドーピング / 金属物性 |
Research Abstract |
A)ボロンナノベルトの大量生産の試み 我々は、低真空でのレーザー・アブレーション(PLA)法を用い、おそらく世界初と思われる、触媒添加物を使わない純ボロンでの結晶性ボロンナノワイヤーの作製に成功した。プルーム中での結晶成長を促進する目的でArを数十Paまで導入した管状電気炉中で、純ボロン焼結ターゲットと石英基板を600〜1000℃に加熱し、Nd:YAGレーザーの3倍波(355nm)をターゲットに集光照射して試料作製を行う。この合成条件を最適化することにより、ボロンナノベルトの大量生産を試みた。 B)ボロンナノベルトへのLiやMgドープの試み ボロンナノベルトへのドープは、バルク体のβ菱面体晶ボロンへのドープに成功している蒸気拡散法を採用する。金属転移や超伝導転移の有無は、ナノベルト1本の電気伝導率測定や、ナノベルト集合体のSQUIDによる磁化率測定で評価する。 α正方晶ボロンは単位胞に50個の原子を含み、B12クラスターが4個ある。B12クラスターは結合軌道に2電子不足しているので、β菱面体晶ボロンと同様に、単位胞当たり8電子収容できる内因性アクセプター準位(IAL)が存在すると考えられる。しかし、β菱面体晶ボロンと異なり、B28クラスターは存在しないので、IALの上の局在準位は存在せず、Liの場合は単位胞当たり8個以上、Mgの場合は単位胞当たり4個以上ドープできれば、フェルミ・エネルギー(EF)が伝導帯にまで達し、金属転移することが期待できる。 ボロンナノベルトの電気伝導率を測定する方法を確立し、Mgドープを試みた。バルクのβ菱面体晶ボロンへのドープの場合と比較し、フェルミ準位での状態密度は大きかったが、金属転移には至らなかった。ナノベルトのサイズ効果は観測されなかった。
|
Research Products
(3 results)