2005 Fiscal Year Annual Research Report
強相関電子系における巨大非線形光学応答と超高速緩和の温度・磁場依存性
Project/Area Number |
17038019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
芦田 昌明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60240818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 顕祐 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (20397764)
伊藤 正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60004503)
齋藤 伸吾 独立行政法人情報通信研究機構, 基礎先端部門, 主任研究員 (80272532)
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Keywords | 強相関電子系 / 光物性 / テラヘルツ / 光スイッチ / 強相関エレクトロニクス / 赤外分光 / 赤外材料・素子 |
Research Abstract |
ピコ秒再生増幅器で励起された2台のOPA、分光器、MCT検出器等を用いて、ポンプ-プローブ分光測定系を立ち上げ、波長操作などの測定を自動化することを行った。これにより、紫外-可視-近・中赤外域をカバーして、スペクトル幅4meV以下で、ピコ秒時間分解分光実験を効率的に進めることができるようになった。物性測定への手始めとして、電子の閉じこめ効果により電子相関が働くと考えられるナノ構造物質、特に半導体量子ドットに適用し、その非線形光学応答を調べた。まず、ワイドギャップ半導体CuClの量子ドットにおいて、非常に効率の高いレーザー発振を見出した。さらに、近赤外域に光学吸収を示すInAs量子ドットについても調べ、光通信波長帯において大きな非線形光学応答を示すことを明らかとした。 さらに、超伝導マグネットの窓をダイヤモンドに交換することにより、強相関電子系の特徴的な光学応答が現れる紫外から遠赤外に至る超広帯域に亘って、磁揚下で測定が行える装置系を立ち上げた。既に上記CuCl量子ドットにおける光学応答の磁場依存性測定を進めている。 一方、上記のOPAを用いた測定系では遠赤外域をカバーすることはできないが、そこには超伝導体を含む強相関電子系の電気伝導特性を反映した光学応答が現れる。この領域を完全にカバーするテラヘルツ時間領域分光法の開発を進め、データ取得方法を工夫することにより、遠赤外域の光電場波形の実時間計測を行うことに成功した。これにより、磁場下における可視ポンプ-遠赤外プローブ測定を効率的に行うことが可能となった。
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Research Products
(3 results)