2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17039004
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
生駒 大洋 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80397025)
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Keywords | 系外惑星 / 惑星形成 / 惑星大気 |
Research Abstract |
系外惑星系の多様性として現時点で最もよく知られているものは、巨大ガス惑星の位置と質量における多様性である。定性的な理解を与える研究はすでになされているが、定量的かつ系統的な研究はこれまでなかった。そこで、我々は巨大ガス惑星のガスエンベロープの源である原始惑星系円盤ガスの力学進化とその円盤内での惑星の円盤ガス捕獲過程を詳細な流体数値計算の結果に基づいてモデル化し、巨大ガス惑星の質量が決める要因を系統的に調べた。その研究結果を学術論文としてまとめ、国際学術雑誌Astrophysical Journalに投稿した。 一方、地球型惑星の大気・海洋の獲得過程については、昨年度に提案した円盤起源説の妥当性を太陽系の地球の地質学的証拠を用いて調査した。具体的には、海水の重水素/水素比との整合性とマントルに含まれる希ガス量との整合性を調べた。結果として、我々の地球については矛盾がないことが明らかになった。その成果の一部はすでに学術論文として国際学術雑誌Icarusに投稿済みである。また、海洋の存在条件を決定する大気の放射限界については、これまでは地球を念頭に置いた研究しかされていなかった。そこで、我々は惑星の質量あるいは水蒸気以外の混合成分(具体的には、円盤ガスの主成分である水素)が放射限界に与える影響を調べた。得られた放射限界を中心星からの距離に読み替えることで、系外惑星系における生命居住可能領域(ハビタブル・ゾーン)の位置に制約を与えることができた。
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