2005 Fiscal Year Annual Research Report
原子分解能・走査型化学プローブのための能動的非線形バネをもつアクチュエータ
Project/Area Number |
17040001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 崇人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90282095)
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Keywords | アクチュエータ / 微小電気機械 / 圧電アクチュエータ / 走査型プローブ顕微鏡 / 質量分析 / 走査型化学顕微鏡 / 原子分解能 / 電界放出 |
Research Abstract |
走査型化学顕微鏡は、プローブで単一の原子や分子を拾い、その原子を質量分析器に飛ばして化学分析し原子を同定するための顕微鏡である。このプローブでは、表面をみてターゲット分子を拾い、分析器に分子をとばすために、プローブを大きく変位させるアクチュエータの技術が必須である。ダイナミックモードAFMとの併用により、原子分解能で表面像を観察し、化学分析を可能にする。しかし、プローブを大きく動かすアクチュエータは、剛性が小さく、原子間力顕微鏡との併用が困難である。小型のアクチュエータで発生できる力は弱く、プローブのバネ定数を極めて小さくしないと、駆動できないのが問題である。アクチュエータのバネ定数が小さいと、プローブが原子間力で表面に張り付き、動作が不安定になると共に、十分な分解能が得られない。これらの問題を解決するため、アクチュエータの剛性を能動的に変化するアクチュエータを開発する。 原子分解能をもつ走査型化学顕微鏡を実現するには、走査型プローブへの以下のマイクロ・ナノ駆動機構の集積化が不可欠である。(1)ダイナミックモード(タッピンク、あるいは非接触動作モード)で原子像を得るための、20N/m以上のバネをもつ駆動機構。(2)原子を化学分析する際に大きく動作させるための、30μm以上の大変位駆動機構。しかしながら、MEMS技術を用いて作製した従来のマイクロアクチュエータでは、以上の要求を満足することは困難である。マイクロアクチュエータで発生できる力は弱く、例えば20N/mのバネでは、せいぜい数μmの変位を得るのが限界である。そこで本研究では、非線型バネを利用する。本年度はバネを柔らかくし、大きく駆動するための大変位を得る機構を作製した。この大変位機構は、化学分析のためにプローブ探針を電界放出用電極近傍に持ってくるために非常に重要な役割を果す。また、表面像を観察する際には、バネを硬くし、ダイナミックに振動させて、その共振周波数の変化あるいは振幅の変化を利用してイメージングする。バネが柔らかすぎると、表面との引力によりプローブ動作が不安定になるため、硬いバネのプローブが必須となる。
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Research Products
(6 results)