2006 Fiscal Year Annual Research Report
さまざまな運動挙動を示す磁性ゲルのアクチュエータへの応用
Project/Area Number |
17040007
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
三俣 哲 山形大学, 工学部, 助手 (80322006)
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Keywords | 高分子ゲル / 磁性ゲル / アクチュエータ / マイクロバルブ / 磁場 |
Research Abstract |
ドリル状の磁性ゲルを作成した。このゲルは、カラギーナンゲルを鋳型とするアルギン酸ゲルである。アルギン酸ゲルはゲル化が瞬時に起こるため、ゲルの加工はほとんどできなかった。本研究で初めて複雑な形状を有するアルギン酸磁性ゲルが得られた。ポンプを構成する回転子は、螺旋状に加工されている。直径が3mmのとき、毎分300mlで送液することができる。ドリル型に成形された磁性ゲル(直径φ3.8-5.5mm、長さ20-45mm)を用いて送液ポンプを試作した。このポンプは回転磁場により駆動する。非接触で駆動するためチューブの劣化がなく、ポンプ全体が小型化できた。流量はゲルローターの回転数に伴い増加した。最大送液量は5000rpmで28ml/minとなった。回転子の直径が800μm程度になると送液効率が極端に低下することが問題点である。ポリビニルアルコールゲルに四三酸化鉄を分散させたゲルバルブを作成した。グルタルアルデヒドにより化学架橋したゲルである。直径1mmのテフロンチューブを鋳型とした。得られたゲルバルブを直径800μmの流路の脇にセットした。永久磁石をバルブに近づけると、瞬時に流路が塞がれ、送液が止まる。ゲルが磁石に引き寄せられ、物理的に流路を塞ぐ。開閉によるバルブの応答時間は、低水圧(0.3MPa)のときは架橋密度に依存せず、高水圧では架橋密度が高いと2回目以降の応答が悪くなることがわかった。バルブを閉じているとき、架橋密度が高くなると、低水圧で漏れ流量が多くなることがわかった。
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