2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17040010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新野 俊樹 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (70291929)
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Keywords | 超音波モータ / 超高真空 |
Research Abstract |
近年,半導体技術やナノテクノロジーの進展に伴い,真空環境下で物体をハンドリングする自動装置へのニーズが高まっている.真空環境下では電子線やイオン線などの荷電粒子応用機器が利用されることが多いが,そのような機器では非磁性が求められる.研究代表者らはこういったニーズに対応可能な機械要素として,超音波モータの真空適応性と非磁性に着目し,非磁性回転出力モータを開発している.これまでに,5.5x10^<-8>Paでの駆動に成功し,超高真空中において非磁性で駆動するという要件を満たしたが,振動源の圧電素子が破壊してしまうことや,振動子駆動面と回転子接触面の磨耗によって駆動できる130時間程度と短いことが実用化への障害となっていた.本年度はこれらの問題を解決するために,圧電素子の構造の変更と摩擦部材の材料や構造の変更を試みた. 本モータのステータ振動子には,2方向の撓み定在波を立てている.このような振動を起こすために,4枚の扇形電極を2枚の円環状の圧電素子ではさみ,4枚の電極に位相の異なる高周波電圧を印加しているが,この構造では,円環状の圧電素子の電極境界部分に応力集中が生じ,破壊が生じていた.そこで本研究では,この部分の圧電素子を分割することにより,破壊による障害を完全に取り除いた. また,摩擦部材に置いては,ロータの一部に溝を刻み,摩耗粉の排出を促進したところ,寿命を1.3倍以上に向上した.また,摩擦部材の材料を変更することにより,従来130時間であった寿命を3倍以上の400時間に延長することに成功した.
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Research Products
(3 results)