2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲルを用いたソフトマイクロポンプの開発に関する研究
Project/Area Number |
17040015
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (90162924)
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Keywords | ハイドロゲル / 溶媒流れ / 摩擦係数相転移 / 相転移 / 相関長 / ハーゲンポアゼイユ / 不均一構造 / マイクロポンプ |
Research Abstract |
不連続かつ可逆的に体積変化するハイドロゲルの特性を利用し、ゲル内部の溶液の流動を、ごく小さな外部環境(温度など)の変化により制御あるいは駆動できるようにするために、以下の研究を実施した。 (1)熱応答性のN-イソプロピルアクリルアミド、架橋剤、光重合開始剤を純水に溶かし,一定温度にて紫外線を照射し、ガラスキャピラリー中にゲルを合成した。ガラス管はシランカップリング剤で処理し、合成時にゲルを化学的に固着した。ゲルに少量のイオン基を導入することにより、転移温度を体温付近にもつゲルを合成した。未反応モノマーや合成に使用した薬品などの不純物を除去するために、合成直後ゲルに、室温にて一定圧力をかけ、一定時間静置して純水を流した。 (2)流れが微量なため、マーカとデジタルマイクロスコープを利用してガラス管中のメニスカスの位置を正確に測定して管内流速と流量を計測した。ゲル中に超純水を流した時のキャピラリーの断面積、ゲルの架橋密度、ゲルの収縮による安定状態になる緩和時間の影響を考慮して、それぞれの流量を長時間測定して摩擦係数が断面積にどのように依存するか、また摩擦係数が架橋密度にどのように依存するかを調べた。さらに、流れが定常に達するまでの時間を測定し、各種の条件下での特性時間を測定した。 (3)ゲル中の溶媒流動を、ゲルの網目構造を管径が網目の相関長(高分子網目の平均的大きさ)に等しい毛細管の集まりであると仮定することで、ハーゲンポナゼイユの式を基礎にした毛細管における液体の流動で近似した。流れの経路長がゲルのサイズとどのような関係にあるかを検討し、ゲルの不均一な網目構造と相分離構造を取り入れた、ゲル網目と溶媒の摩擦の基礎原理を構築した。
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Research Products
(2 results)