2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流体素子の非接触駆動と液中微小物体操作への応用
Project/Area Number |
17040017
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新井 史人 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90221051)
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Keywords | マイクロマシン / マイクロ・ナノデバイス / 精密部品加工 / 光ピンセット / システムオンチップ / 温度感応性高分子ゲル / 光硬化性樹脂 / マイクロツール |
Research Abstract |
これまで遺伝子導入や細胞導入などの操作は,顕微鏡観察下で人がピペット等の接触アクチュエータによって行われてきたが,この手法は操作者の習熟に依存する,対象が操作時に損傷を受ける可能性等の問題がある.このため,微小物体の操作には環境変動の抑制が可能な非接触アクチュエータ技術が不可欠であると考え,以下の3つの項目について研究を行い,対象サイズに応じた微小物体の非接触駆動・操作手法を提案した.代表者は研究計画,理論構築,解析,システム設計,実験,まとめを行った.本年度の研究実績を以下にまとめる. 1.光硬化性樹脂を用いた機能性マイクロツールの作成と駆動: 倒立型光学顕微鏡(IX71,01ympus)を改造し,これにレーザ操作システムを導入し,ナノオーダーの物体のマニピュレーションが可能なシステムを構築した.光硬化性樹脂を用いて各種機能性マイクロツールを製作し,操作した. また,磁性体微粒子を光硬化性樹脂で固め,流体中での非接触駆動を試みた.摩擦の影響や,造形精度の向上が課題となった. 2.温度感応性高分子ゲルを用いたマイクロツールの駆動: 相転移温度が約32℃であるpoly(N-isopropylacrylamide)(PNIPAAm)のハイドロゲルをツールに利用した.溶媒への光吸収成分添加及びコア物体加熱によるゲルマイクロツール生成に成功した.また,ゲルマイクロツールを用いた形状可変微小流体制御素子の製作を試みた. 3.外部磁場制御による液体中での微小物体マニピュレーション: 年度の前半で磁性体の外部磁場駆動による微小流路内細胞操作アクチュエータを開発し,基礎実験を行った.また,その場光造形による磁性微粒子含有磁気駆動素子を製作した.造形精度の向上が課題となった.
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