2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17040021
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
甲斐 昌一 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (20112295)
|
Keywords | 液晶エラストマー / 生体材料 / 複合材料・物性 / 高分子材料 / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
LCEは配向秩序をもった異方性のゴムまたはゲル状物質で、ネットワークの主鎖あるいは側鎖に液晶分子が化学的に結合されている。その実用化、高性能化、簡便化を図るためには、その物性を深く理解することが必要不可欠である。特にこの電界応答特性には、これまでの我々の研究から次のような重要な因子が判ってきている:(1)ネットワークに結合する液晶と膨潤させる低分子液晶の親和性、(2)クロスリンカー分子の構造と性質、(3)側鎖液晶分子であるか主鎖液晶分子であるか、(4)膨潤させる低分子液晶の極性、(5)LCEの液晶相の種類、(6)クロスリンカー分子の濃度。すなわち、これらの要素がLCEの電界応答を左右する重要なファクターである。そこでこれらの因子の役割を明確にするために、液晶分子とネットワークとの結合部分を変えた主鎖型と側鎖型のLCE、極性の大小、クロスリンカーの官能性を変えた場合、その濃度を変化させた場合、クロスリンカーの液晶性・非液晶性による特性の変化を調べるための試料合成を中心に研究を行った。また、特に物理的な計測は、今回、主鎖型と側鎖型を中心に、その応答速度と閾値特性、収縮率などを研究した。その結果、液晶分子を主鎖内に結合させた場合には、巨大な電気力学効果が観測され、フィルム全体が収縮するとともに強い電気光学効果が見いだされた。側鎖型LCEではこのような特性はない。しかしながら、主鎖型では側鎖型に比べネットワークヘの拘束が強く、十分な応答を得るためには約10倍の電圧を必要とした。しかしながら、適切な極性をもつ液晶分子を組み込むことによってこの欠点は解消されるものと期待された。
|
Research Products
(2 results)