2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン伝導体・金属電極間反応における酸素イオン挙動の透過電子顕微鏡内その場観察
Project/Area Number |
17041004
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐々木 勝寛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00211938)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 光太郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30161798)
|
Keywords | ナノイオニクス / イオン伝導体 / 透過電子顕微鏡 / その場観察 / 電場観察法 |
Research Abstract |
透過電子顕微鏡の高い分解能は、ナノスケール現象を観察するのに最適である。本研究では、ナノイオニクスデバイス内におけるイオンの移動現象におけるイオン伝導体・金属界面の役割を解明するための、透過電子顕微鏡内その場観察手法の開発を試みた。 透過電子顕微鏡内その場観察のためのガス直接照射型雰囲気加熱ホルダーと、試料に電圧・電流を印加しながら試料回りの雰囲気を変えるマイクロ電極付きガス直接照射型雰囲気ホルダーを開発した。ガス導入部分を試料近傍に設けることにより、特別な改造を通常の透過電子顕微鏡に加えることなく10-3Pa台の雰囲気を得ることが出来た。また、交換可能な型のマイクロ電極を作製した。アルミニウム製電極を用いて間隔は20μmのものの作製に成功した。作成方法を改良することにより金・銅・銀・モリブデン製電極を用い電極間を1μm以下にする可能性が示唆された。電極間の絶縁性を評価したところ、1kV/mm以上を示した。 試料に電圧・電流を印加しながらその場観察をするために、簡易型の電場観察法を開発した。試料を透過電子顕微鏡の第一中間レンズで結像し(いわゆるLM mode)、観察視野へ制限視野回折絞りの位置に代替的に設置した格子状絞りの影像挿入し、影像の歪みを計測することにより、試料周辺の電場分布を測定した。歪み量は偏向角に比例し、感度は1V/μmに達することが分かった。本手法を用いて、逆バイアスされた半導体p-n接合界面近傍の電場分布の観察する事が出来た。 今年度は、イオン伝導体を、高温ガス雰囲気や電位印加環境下で観察するためのホルダーを開発した。また、新しいその場電位分布観察法を開発した。日本顕微鏡学会第61回学術講演会、日本金属学会2005年秋期(第137回)、2005 Materials Research Society Fall Meetingにて成果の発表を行い、予定していた学会等への発表はすべて行った。 来年度は17年度予定していたセリア・ジルコニア試料の観察は、入手困難のため、予定を18年度に延期し、18年度予定していた上記観察技術の開発を前倒しで行った。18年度の課題は、遅れている実試料への適用である。
|
Research Products
(3 results)