2005 Fiscal Year Annual Research Report
高密度表面欠陥型ナノプロトニクス材料のメカノケミカル合成
Project/Area Number |
17041006
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
松田 厚範 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (70295723)
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Keywords | エネルギー / 燃料電池 / イオン伝導体 / プロトン / メカニカルミリング / 固体酸 / ナノイオニクス / 複合体 |
Research Abstract |
本研究課題では、メカノケミカル法などによって無機固体表面に欠陥構造やランダム構造を高密度導入し、150〜200℃の中温領域において、低加湿・無加湿条件でも高い導電率を維持する新規な無機系ナノプロトニクス材料を合成することを目指している。本年は以下の研究成果を得た。 (1)リン酸塩系固体酸のメカノケミカル処理によるナノプロトニクス材料の合成 中温保水性と化学的耐久性がある結晶性リン酸塩としてAlH_2P_3O_<10>・2H_2O、Zr(HPO_4)_2・H_2O、AlH_3(PO_4)_2・3H_2O、AlPO_4などを選択し、これらにメカニカルミリング処理を行なうことによって、オルトリン酸が生成し、プロトン伝導性が向上することを見出した。一方、この構造変化によって、固体酸の耐水性が低下することも明らかとなった。 (2)硫酸水素セシウム類似固体酸のメカノケミカル処理によるナノプロトニクス材料の合成 種々の組成比のCsHSO_4-CsH_2PO_4系混合物にメカニカルミリング処理を行ない新規無機系プロトン伝導性材料の合成について検討を行った。その結果、ミリング処理によってCs_3(HSO_4)_2(H_2PO_4)やCs_5(HSO_4)_3(H_2PO_4)_2が生成し、加熱によってCs_2(HSO_4)(H_2PO_4)の高温相が生成し、中温無加湿条件下でも高い導電率が達成されることと、種々の組成のうちCsHSO_4:CsH_2PO_4=50:50(モル比)の試料が最も高い導電率を示すことを明らかにした。 (3)スルホ基を導入した有機-無機複合系ナノプロトニクス材料のゾルゲル合成 強いプロトン酸性を有するスルホ基(-SO_3H)を導入した新規有機-無機複合系ナノプロトニクス材料をゾルゲル法で合成するために、メルカプト(-SH)基を酸化する方法、フェニル基をスルホン化する方法などについて検討を行なった。その結果、クロロスルホン酸を用いてフェニル基を処理することがスルホン化に有効であることがわかった。
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