2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオニクス材料における反応素過程の量子力学シミュレーションと材料設計
Project/Area Number |
17041007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 彰秀 京都大学, 工学研究科, 助手 (30378799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 史康 京都大学, 工学研究科, 助手 (90378795)
宇田 哲也 京都大学, 工学研究科, 助手 (80312651)
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Keywords | 第一原理計算 / 固体酸化物燃料電池 / 点欠陥 / 拡散 / 界面 / 形成エネルギー / 電子状態 |
Research Abstract |
平成17年度は第一原理バンド計算法であるVASP codeを用いて、酸素イオン伝導体であるLaGaO_3、並びにプロトン伝導体であるSrZrO_3中における点欠陥形成挙動と拡散機構の解明を電子論的観点から行った。Nudged Elastic Band(NEB)法によりLaGaO_3中における酸素空孔の最小エネルギー拡散経路を解析した結果、その移動エンタルピーは0.45eVと見積もられた。LaGaO_3に対する代表的な添加元素であるSrに関して酸素空孔との会合対形成エンタルピーの計算を行い、0.65eV程度の非常に大きな会合形成エンタルピーを有することが確認された。この結果を踏まえて、Sr添加LaGaO_3における各種点欠陥の自由酸素空孔の濃度を計算した。これにより全空孔量に占める自由酸素空孔の割合は1300Kにおいて6%であることが明らかとなった。同様に、NEB法によりSrZrO_3における格子間プロトンの拡散経路の同定を行った。その結果、格子間プロトンの移動プロセスは、(1)OH結合長を維持したままZr-O_6配位多面体が歪曲、(2)OH結合を切断しプロトンが隣接する酸素イオンと新たな結合を形成、という2段階に分類されることが明らかとなった。またAサイトのアルカリ土類イオンのみを変えたCaZrO_3、BaZrO_3に対する計算も同様に行い比較検討を行った。その結果、ジルコン酸化合物系ではOH結合の切断に起因するエネルギーに変化は無く、Aサイトの違いを特徴付けるのは(1)のZr-O_6配位多面体の歪みエネルギーであることが明らかとなった。 また、固体酸化物燃料電池における電解質-電極界面の研究としてBaZrO_3(001)-Pt(001)界面に関して界面原子構造の決定と化学結合状態の解析を行った。計算の結果、BaO終端におけるPt atop接合界面が最安定な界面であることが分かった。
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Research Products
(2 results)