2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ単結晶酸化物へのリチウムイオンの挿入・脱離反応のダイナミクス
Project/Area Number |
17041008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
入山 恭寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (30335195)
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Keywords | ナノ粒子 / 相変化 / リチウム二次電池 / 遷移金属酸化物 |
Research Abstract |
噴霧熱分解装置を用いて、リチウム二次電池の電極活物質として用いられるLiCoO_2,LiMn_2O_4、Li_<4/3>Ti_<5/3>O_4の直径10-20nmのサイズと形状がそろった微粒子を合成することに成功した。透過型電子顕微鏡を用いた観察と電子線回折を用いた結晶構造解析結果から、作成された微粒子が単結晶構造を有しており、極めて結晶性が高いことが示された。また、これらの微粒子を電気集塵器を用いて補足し、この技術を活かして微粒子が示す電気化学的挙動を測定する手法を確立した。 Li_<4/3>Ti_<5/3>O_4微粒子については電圧を印可した静電噴霧法を用いることで、サイズがそろった極めて結晶性の高い微粒子を合成することができた。現在、この技術をLiCoO_2、LiMn_2O_4微粒子にも展開中である。 LiMn_2O_4微粒子をモデル材料として用いて、これを白金メッシュ上に堆積した試料を適当な温度で加熱処理し、微粒子の凝集状態と結晶子サイズを変えた。微粒子を凝集させて大きな粒子になる直前の温度で加熱処理した試料の電気化学的リチウム挿入脱離反応を測定した結果、一般にバルク材料で認められる相変化とは異なる挿入脱離挙動を示すことがわかった。この原因は現在検討中であるが、X線回折測定の結果では、ホスト格子の変化が明確には認められていないことから、構造内のリチウムが何らかの原因で不規則に分布し、見かけ上単相反応のように反応が進行していると推測される。一方、これら微粒子を焼結させた試料では、極めて高速なリチウム挿入脱離反応が進行し、バルクと同様な電気化学スペクトルを示すことがわかった。
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Research Products
(4 results)