2005 Fiscal Year Annual Research Report
固体高分子形燃料電池の電極触媒超微粒子におけるナノ電気化学
Project/Area Number |
17041012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 一成 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80322296)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 電極 / 電気化学 / パターン電極 / 反応メカニズム / 過電圧 / アノード / カソード |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池の性能を大きく左右するのが電極触媒である。SOFCにおいて、電極反応が電解質-電極-気相からなる三相界面において起こることが知られており、PEFCの場合も三相界面近傍でその反応が起こると一般的には考えられている。しかし、三相界面の幅や反応場などは定量的にはほとんど分かっていないのが現状である。そこで本研究では、形状の定義されたPEFCパターン電極や微細構造をナノサイズで制御して作製された三相界面構造体を作製し、局所的な電気化学測定評価によるナノ領域での電極反応プロセスを解明することを目的としている。 実験では、電解質膜の上に、形状の定義された白金のパターン電極を作製した。その作製したパターン電極の形状をFESEMで観察し、三相界面のナノレベルでの微細構造を観察した。また、PEFCの電気化学特性の測定を、通常のPEFCセル(MEA)とPtメッシュパターン電極を用いたMEAで行った。 実験では、交流インピーダンス測定により、CathodeとReference間のオーミック過電圧:Rr-cを測定した。Cathode過電圧の結果は、Rr-cの値を除去したものになっている。白金メッシュを電極として用いた電池セルでも、電流電圧特性の測定が可能であることが確認できた。また、サイクリックボルタンメトリで測定した白金有効表面積と白金メッシュの内側の面積を基準に、単位表面積あたりの電流密度を比べると比較可能なオーダーに収まった。このことから、Ptメッシュの反応場として考えられた面積は、妥当な大きさであると考えられる。今年度は、メッシュ電極を用いて形状の定義された電極の特性評価が可能であることを示す最も重要な目標をクリアできた。来年度は、より微細な領域での特性評価に発展させたいと考えている。
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Research Products
(1 results)