2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸素イオン伝導体のナノ薄膜を用いる超低温作動型SOFCの開発
Project/Area Number |
17041013
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石原 達己 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (80184555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三角 優子 九州大学, 大学院工学府, 技術職員 (70380607)
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Keywords | ナノイオニクス / 酸素イオン伝導 / SOFC / 低温作動 / 高出力 / ナノ効果 |
Research Abstract |
種々の酸素イオン伝導体のナノサイズ薄膜による伝導度の変化を検討した。バルク状のLaGaO_3およびLa_2GeO_5と比較しても、薄膜化することで、電気伝導度が大きく向上した。とくに、低温での伝導度の向上が大きいことがわかった。これはナノサイズ効果により、伝導度が向上することとを示唆する結果である。La2GeO5系酸化物の伝導度の膜厚依存性をさらに、系統的に検討したところ、膜厚の低下とともに伝導度は向上し、膜厚が50nm以下では伝導度は膜厚に依存しなくなった。一方、伝導度に及ぼす2層化の影響を検討した。大変興味あることに、LSGM上にLa_2GeO_5を作成した薄膜の伝導度はLa_2GeO_5上にLSGM膜を作成した場合に比べると大きくなることがわかる。これはVan der Pauw法がバルクの伝導度を測定する方法であることを考えると積層に順方向と逆方向があるようである。一方、伝導度は酸素分圧に依存しないことから観測される伝導度は酸素イオン伝導であることがわかる。そこで、ナノ薄膜における酸素イオン伝導度は積層する膜の順にも依存するという大変興味ある結果が得られた。 種々の酸素イオン伝導体を組み合わせた2層薄膜のSOFC電解質への応用を検討したところ、LaGaO_3とSm添加CeO2を積層した2層膜ではほぼ理論起電力を示すとともに、極めて大きな出力を示し、出力密度は500℃で0.5W/cm^2以上の出力を達成できることがわかった。そこで、ナノイオニクス効果を利用することで、超低温作動型SOFCが開発できるものと期待される。
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