2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン伝導体微小界面を反応場とする物質創製、加工技術の開発
Project/Area Number |
17041014
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鎌田 海 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (90315284)
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Keywords | イオン伝導体 / マイクロコンタクト / 微細加工 / 電気化学反応 |
Research Abstract |
本年度は銀、銅を対象として金属イオン伝導体の電気化学反応を利用した新しい概念に基づく「固体電気化学マイクロマシニング(微細加工)」の可能性を検討した。微小界面(径:数マイクロメートル)を有する金属イオン伝導体と金属板(陽極)を固相接触させた。固相界面に直流電圧を印加することで、金属板を電気化学的に酸化して金属イオンをイオン伝導体中へと溶解させた。継続的な電圧印加により金属板が局所的に消耗してマイクロマシニングが可能であった。ここで、イオン伝導体として目的の金属から発生する金属イオンを可動種にできる材料を選択することが重要であり、銀や銅に対してはベータアルミナセラミックスが適当であった。加工跡は金属イオン伝導体の先端を鋳型とした形状となった。加工のサイズ(深さ)は電流値や電解時間により精密に制御可能であった。電解条件と実際に生成した加工体積との比較により「固体電気化学マイクロマシニング」の電流効率を算出すると、短時間(低電流値)では高い効率(最大:約40%)を示したが、長時間(大電流)によるマシニングでは電流効率が低下した。これは、固相界面の不均一接触における放電現象による電流損失が原因であると考えられた。 さらに、電圧印加時に金属板表面に沿って微小イオン伝導体を移動させることで、マスキング処理なして加工跡を直接パターニングすることに成功した。イオン伝導体の移動速度と電流値によってパターンの幅や深さを数十マイクロメートルレベルで制御できることが分かった。
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Research Products
(2 results)