2005 Fiscal Year Annual Research Report
一方向凝固による希土類酸化物含有共晶体のパノスコピック形態制御とその光学特性
Project/Area Number |
17042004
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 順一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40110259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 幹雄 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40198990)
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Keywords | 一方向凝固 / 溶媒移動浮遊帯域溶融法 / 酸化物共晶体 / 希土類化合物 / レーザー結晶 / シンチレーター結晶 / 柱状組織 |
Research Abstract |
優れた特性(たとえば,熱伝導性)を有するマトリックス中に微細な口径を有する柱状の光学結晶が互いに接触することなく平行に埋め込まれた組織をもつ凝固体を作製できれば、バルク結晶にはない新しい機能を付与した光学素子としての応用が期待される。本研究では、溶媒移動浮遊帯域溶融法により任意組成の一方向凝固共晶体を作製し、その光学的特性を調べることを目的とした。本年度は、Nd:Y_3Al_5O_<12>(YAG)-Al_2O_3系、あるいはRE:GdAlO_3(GAP)-Al_2O_3(RE=NdまたはCe)系について、組成と組織との関係を検討した。 Nd:YAG-Al_2O_3系に対してXRDによる生成相の半定量をおこなったところ、いずれの組成の強度比も焼結体試料による検量線にほぼ一致することから、凝固体のバルク組成は原料組成のまま保たれていることがわかった。Al_2O_3の体積分率が50%以上のとき、Al_2O_3マトリックス中に独立して存在するNd:YAG相が確認された。しかしながら、Nd:YAG相の形状は一律ではなく、Al_2O_3量の増大にともない複雑さを増す傾向にあった。また、縦断面の観察では、成長方向と平行に伸びる独立したNd:YAG相はほとんど見出されなかった。これに対してRE:GAP-Al_2O_3系においては、Al_2O_3の体積分率を55%とすると、目標とする組織に近い形態が横断面、縦断面いずれにも観察された。柱状のRE:GAP相の直径は1μm以下であり、非常に高密度にAl_2O_3マトリックス中に存在しているにもかかわらず、互いに接触することなく、凝固方向と平行に成長していた。同様の組織を有するCe:GAP-Al_2O_3系凝固体は良好なシンチレーション特性を示したことから、リアルタイムイメージングプレートとしての応用が期待される。
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