2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17042016
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤原 康文 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10181421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斗内 政吉 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (40207593)
市田 秀樹 大阪大学, 先端科学イノベーションセンター, 助手 (50379129)
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Keywords | 秩序制御 / 高次発光機能 / 発光ダイナミクス / 局所構造 / 希土類元素 |
Research Abstract |
我々は過去数年間に渡り、III-V族半導体中で希土類元素を原子のレベルで操ることにより、新しい物性・機能を効果的に発現させるとともに、それらを有効に活用した新規デバイスを創出することを目指している。現在のところ、Er原子周辺局所構造がEr-2O配置へ秩序制御されたEr,O共添加GaAs(GaAs : Er,O)を取り上げ、それを活性層とした電流注入型1.5μm帯Er発光ダイオードの室温動作に世界に先駆けて成功している。また、Er発光ダイナミクス測定からEr励起断面積を見積もったところ、活性層厚が大きくなるに伴い、指数関数的に減少することを見出している。 今年度は、発光デバイス性能をより一層向上させる指針を得るために、GaAs : Er,Oにおける光励起キャリアダイナミクスやEr発光特性を評価し、Erイオンの励起および緩和過程を定量的に明らかにすることを目指した。得られた知見は下記の通りである。 (1)GaAs : Er,Oにおける光励起キャリアダイナミクスをポンプ・プローブ光反射率測定により調べた。その結果、Er濃度に依存してピコ秒の時間スケールで発現する特徴的な緩和プロセスを見出し、それがErトラップによるキャリア捕獲によることを明らかにした。 (2)Er添加濃度が異なる試料において、発光強度のフォトンフラックス密度依存性および時間展開を解析することによりEr光励起断面積を見積もった。Er励起断面積は、高濃度試料(Er添加濃度:7x10^<18>cm^<-3>)では4x10^<-16>cm^2、低濃度試料(8x10^<17>cm^<-3>)では1x10^<-15>cm^2となり、Er濃度に依存する非輻射プロセスが存在することを明らかにした。
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