2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17042019
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
今村 速夫 山口大学, 工学部, 教授 (60136166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒多 喜久 山口大学, 工学部, 助教授 (40211263)
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Keywords | 希土類窒化物 / 希土類アミド / 液体アンモニア / アンモニア吸蔵 / ベンゼン水素化反応 / シクロヘキセン |
Research Abstract |
イッテルビウムやユウロピウムなどの希土類アミドを熱分解して得られる希土類窒化物(YbN,EuN)をアンモニアで処理すると、表面形態や構造・組織の変化を伴いながら、ベンゼン水素化においてはシクロヘキセンへの高い選択的水素化能が発現するようになることを新たに見出した。そこで本研究では、次の三点について検討した。 (1)熱分解の条件変化による窒化物形成の最適化 (2)希土類窒化物のアンモニア処理による表面構造変化の特定と触媒活性発現の解明 (3)ベンゼンの選択的水素化反応について、反応機構や速度論的に解明 その結果、Yb,Euアミドを出発原料にして熱分解すると、それぞれ923K、723Kで立方晶のYbN,EuNが定量的に得られた。熱分解して得られたYbNに室温でアンモニアガスを接触させると、窒化物は直ちに多量のアンモニア吸蔵し、アンモニア吸蔵量は最大でNH_3/YbN=0.3に達することがわかった。アンモニアとの反応温度を297K,473K,573Kに上げるに従って、吸蔵量は減少する傾向を示した。また473K,573Kで反応後、温度を297Kに変えるとアンモニア吸蔵は増し297Kに相当する吸量にまで増加することがわかった。このことは、ここで見られるアンモニア吸蔵には吸着タイプのものがある程度含まれていることが示唆され、吸蔵アンモニアは少なくとも二つのタイプで窒化物中に存在すると思われる。 触媒作用については、アンモニアを吸蔵することによってベンゼンの部分水素化反応に対する選択的な触媒作用が発現し、シクロヘキセンが高収率で得られることがわかった。
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