2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリックス配位子により形態制御された希土類金属錯体の創製と発光機能評価
Project/Area Number |
17042023
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
三宅 弘之 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 助教授 (00271198)
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Keywords | 希土類錯体 / らせん / 不斉 / 置換活性 / 外部刺激 / アニオン / 発光 / 反転 |
Research Abstract |
DNAなど多くの生体高分子は、二重らせん構造や一重らせん構造など多彩な形態をとり、それらのらせん方向の反転が生命現象の重要なトリガーとなると考えられる。また、このような情報変換は、メモリーや光学材料、液晶材料など新規人工分子デバイスへの応用が期待できる。希土類金属錯体は高配位型のダイナミックな配位化学を持つので、外部刺激に応答したらせん構造の方向制御や化学量論の変換が可能で、さらに希土類中心からの発光機能の制御も期待できる。本研究では、そのようならせん型に形態制御された希土類金属錯体の創製とその化学量論的スイッチング、およびその構造変化に対応した希土類中心からの発光特性の評価を行った。本年度は、配位子のキラル中心の位置が、硝酸イオン濃度に応答した、希土類錯体の化学量論と発光の可逆的な制御に大きく寄与することを明らかにした。 希土類金属イオンの高配位特性を活用して、直鎖状4座配位子と希土類イオンの2:1錯体を構築し、二重らせん型構造の構築に成功した。二重らせん型テルビウム(III)錯体に硝酸イオンを加えると、一本の配位子が外れ、3つの硝酸イオンと置換された10配位型三元錯体が形成された。また、これらの構造変換はテルビウム発光スペクトルからも確認できた。さらに、配位子内のキラル中心の移動により、それらの可逆的制御にも成功した。 このように、希土類錯体の多様性を活用して、らせん構造の反転を伴う二重らせん構造と一重らせん構造間の可逆的なスイッチングが可能となり、新たな情報変換分子デバイスの可能性を拓いた。
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Research Products
(1 results)