2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチカラーレトロウイルスベクターを用いた個体形成時の複数遺伝子競合的機能解析法
Project/Area Number |
17045005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小野寺 雅史 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10334062)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津 真 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30361330)
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Keywords | 蛍光色素蛋白質 / huKo / EGFP / レトロウイルスベクター / 造血幹細胞 / 胚性幹細胞 / 骨髄移植 / VSV-G |
Research Abstract |
自己複製能と多分化能を有する幹細胞は、その増殖・分化機構を複数の遺伝子の相乗的な機能により統合的に制御している。このため、これら遺伝子の相互関係を経時的・空間的に解析するには各遺伝子を複数のマーカーで標識する必要があるが、現在、蛍光強度や細胞毒性に関しオワンクラゲ由来のgreen fluorescent protein (EGFP)と対比できるほどの有用な蛍光色素蛋白質は無い。 今回、我々は新規赤色蛍光色素Kusabira Orange (KO)の有用性をマウス造血幹細胞を用いて検討した。KOはサンゴ由来の蛍光色素蛋白でFACSや蛍光顕微鏡でEGFPと識別が可能である。今回使用するKOは塩基配列をヒト由来に変更したヒト型KO(huKO)で、このhuKO cDNAをgene silencing抵抗性レトロウイルスベクターDΔNsapに組込み、ウイルスエンベロープとしてVSV-Gを発現するパッケージング細胞株293gpgに導入することでリコンビナント・レトロウイルスを作製した。これらウイルスをC57BL/6マウス(Ly5.1)由来の造血幹細胞に感染させ、致死量放射線照射したマウス(Ly5.2)に移植したところ、移植後16週においてこれらマウスの末梢血中の約8割を越す細胞がLy5.1由来で、各lineageの90%を越える細胞がhuKOを発現していた。また、これらマウス骨髄を用いた二次移植においてもhuKOの発現を確認できたこのことから、huKOの発現が骨髄再構築能に関しなんら影響を与えないことが示唆された。また、EGFPによる二重感染においてもEGFPと識別可能であったことから、huKOはEGFPに対する新たな蛍光色素蛋白質として利用できることが示された。現在、幹細胞の自己複製に関与するbmi-1等の遺伝子を発現するウイルスを作製しており、造血幹細胞ならびに胚性幹細胞に導入することでこれら遺伝子の相互関係をin vivoで解析している。
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[Journal Article] Possibility for neurogenesis in substantia nigra of parkinsonian brain.2005
Author(s)
Yoshimi K, Ren YR, Seki T, Yamada M, Hayakawa H, Ooizumi H, Onodera M, Saito Y, Murayama S, Okano H, Mizuno Y, Mochizuki H.
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Journal Title
Ann Neurol 58(1)
Pages: 31-40
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