2005 Fiscal Year Annual Research Report
造血ニッチを構成する膜蛋白質mkirreの機能解析
Project/Area Number |
17045010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北村 俊雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20282527)
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Keywords | 造血幹細胞 / ストローマ細胞 / ノックアウトマウス / Cre-lox |
Research Abstract |
mKirreの造血前駆細胞および造血幹細胞の支持能については実験結果に再現性が得られない。In situハイブリダイゼーションおよび蛍光抗体によって組織分布を調べたところmKirreの発現は骨髄および脳に限局しており、骨髄中では、長管骨の骨端軟骨に近接する骨梁の骨膜に存在するオステオブラスト(骨芽細胞)の一部で、胎生期マウスにおいては造血幹細胞の発現部位であるAGM領域に強い発現が認められた。Fc融合可溶性mKirre分子を利用してmKirre結合細胞の同定を試みたところ、骨端部軟骨付近の骨膜近傍のごく少数のc-kit陽性の血液細胞および骨端軟骨内の偽足を伸ばした樹状細胞様の細胞にmKirreが結合することが示唆された。現在これらの細胞の同定を試みている。最近、mKirreのligandがネフリンであることが報告されたが、造血細胞はネフリンを発現しておらず、造血系では別のligandがある可能性が示唆された。 mKirreのノックアウトマウス作製のためのノックアウト作成は組み換えES細胞のスクリーニングにおいて1200以上のESクローンを調べたが相同組み換えをおこしたES細胞は見つからなかった。そこでCre-lox系を利用するノックアウトコンストラクを作成して再度ES細胞のスクリーニングを行い、今回は相同組み換えES細胞を樹立することができた。現在、このES細胞をインジェクトして、ノックアウトマウスの作成を継続している。
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