2005 Fiscal Year Annual Research Report
ケモカインCXCL12,CXCL12発現細胞の造血幹細胞の動態、機能における役割
Project/Area Number |
17045018
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
長澤 丘司 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (80281690)
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Keywords | ケモカイン / 造血幹細胞 / 骨髄 / ニッチ / ホーミング |
Research Abstract |
我々は、以前、ケモカインCXCL12(SDF-1/PBSF)がBリンパ球の生成、発生過程における造血幹細胞、始原生殖細胞の骨髄、生殖腺へのホーミングに必須であることを見出した。また、最近、骨髄内でリンパ球発生における骨髄内のニッチ(CXCL12産生細胞)を同定し、Bリンパ球前駆細胞が異なる種類のニッチ間を発生段階特異的に移動すること、未分化造血細胞であるc-kit+Sca-1+細胞がCXCL12産生細胞の突起に接着していることを見出した。そこで、本研究では、CXCL12、CXCR4の造血幹細胞の機能における役割、CXCL12発現細胞の造血幹細胞における機能の分子基盤の解明を目的としている。本年度の成果は以下の通りである。 1.胎生期での造血幹細胞ホーミングの臓器特異性におけるCXCL12の役割の解析 血管内皮細胞にCXCL12を強制発現するトランスジェニックマウスにおいて、生理的に造血幹細胞のホーミングが行われる胎生後半での、胸腺、肺など正常マウスで造血幹細胞が存在しない臓器における造血幹細胞の定量を進めた。 2.体の造血幹細胞におけるCXCR4の役割の解析 Mx/Cre-loxPコンディッショナル遺伝子欠損マウスシステムを用いて、成体でCXCR4遺伝子を欠損するマウスを作製することが出来た。造血幹細胞分画、表現型を解析している。 3.CXCL12発現細胞の造血幹細胞の機能における分子基盤の解析 CXCL12/GFPノックインマウスの骨髄よりフローサイトメトリーを用いてCXCL12発現細胞を純化する方法を確立出来た。CXCL12発現細胞が特異的に発現する遺伝子の検索に進みつつある。
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